「靴の手入れが面倒」だと感じたことはありませんか?
きちんと手入れをすると時間がかかりますし、綺麗な状態で維持するのは大変なのでついつい手入れをサボってしまいます。

そんな方にはガラスレザーがおすすめです。
ガラスレザーは革の表面を合成樹脂でコーティングする事で綺麗な艶を出しながら、革靴の天敵の水濡れや傷に強い素材です。
ただガラスレザーについて調べてみると手入れの必要性を始めサイトによって情報が異なるので、どれを信じていいのか分からなくなってしまいます。
そこでこのブログではそうしたサイトの情報を整理して「ガラスレザーの特徴」について分かりやすく解説します。
図解を交えながらどこよりも分かりやすく、簡単に解説しますので、最後までご覧ください。
ガラスレザーってどんな素材?


ガラスレザーってどんな素材なの?
ガラスレザーは表面をコーティングした、艶感のある素材の事。
革靴の定番の素材である本革と比べて靴全体が光沢に覆われていて、高級感のある素材です。

ガラスレザーは次の手順で製造されます。

- 革を鞣(なめ)す
- ガラス板・ホーロー板を貼り付けて乾燥させる
- サンドペーパーで銀面(革の表面)を削る
- 合成樹脂で塗装
表面を削った後に合成樹脂でコーティングするので、表面が滑らかでツルっとした見た目が特徴。
革の表面の傷や血筋、シワなどもコーティングで隠せるので均一に仕上がります。

殆ど同じ様な見た目になります!
手入れをしていない状態でも、ワックスを塗った後のような非常に美しい艶が出ます。

靴磨きが面倒に感じている人におすすめだね!
ガラスレザーは革靴に仕様される事が多く、主に見た時の艶感も重要視されるビジネスシューズに採用されます。
革靴の他にはアディダスの「スタンスミス」や、ドクターマーチンなどのスニーカーやカジュアルシューズにも使われています。
ガラスレザーのメリット

ここでは、ガラスレザーのメリットをまとめました。
ガラスレザーのメリットは次の通り。
手入れをしなくても艶がある

ガラスレザーの最大の特徴が、手入れをしなくても美しい光沢が出ていること。
特に手入れをしなくてもワックスを使って手入れをした後のような状態なので、汚れ落としさえ行っていれば美しい見た目を維持する事ができます。

ワックスを使わなくてもピカピカなんて・・・ちょっとしたチート状態だね
最悪水ぶきだけ行っておくだけでも入念に手入れをしたような見た目になるので、お手入れの手軽さも嬉しいポイントです。
雨・傷・汚れに強い

ガラスレザーの特徴として紹介されるのが次の3点です。
- 水濡れに強い
- 傷に強い
- 汚れが付きにくい
革靴は基本的に雨などの水濡れには弱いとされていますが、ガラスレザーは革の表面を合成樹脂でコーティングしてあるので耐水性があり汚れが吸着しづらいです。。

雨用の靴として人気ですね!
同じ理由で傷が入ってしまっても合成樹脂の層で受け止めてくれるので、革本体に傷が入りにくく、傷にも強いとされています。
価格が安い

ガラスレザーは、本革と比べて価格が安い点もメリットの1つ。

革を削ったりコーティングするのにどうして安くなるの?
革製品に仕様される動物の革は、生体時についた傷や虫食いなど、様々な条件で製品として使用できないものも。

新品で購入する靴に傷が入っていたらちょっと気になりますよね・・・。
そのような問題があったり、廃棄される革を削ってコーティングすれば、一定の品質に揃えられます。
革を加工に手間がかかりますが、元々の革を安く仕入れられるので、本革よりも価格を抑えられます。
ガラスレザーのデメリット

次にガラスレザーのデメリットを2つ紹介します。
クリームが浸透しづらい

表面が合成樹脂でコーティングされているので、雨や傷に強いと紹介しました。
ただ、革に栄養を補給する靴クリームの成分が浸透しづらいというデメリットが・・・。

樹脂でコーティングされてるから靴クリームが革まで届かないんだね!
表面に塗ってある樹脂も、使用している内に徐々に劣化します。
履きジワ部分のひび割れなどを防げず、合成樹脂の層に深い傷が入ってしまった場合、元に戻すのが難しいです。

ガラスレザーは劣化する前提での使用となります。
エイジングを楽しめない

本革のように使い込んで、経年変化を楽しめないのも残念なポイント。
ガラスレザーは表面を加工しているため、革本来の自然な風合いを楽しめません。
靴クリームで長年手入れをしても変化を感じづらい素材です。

大きく見た目が変わらないのは物足りないですね。
使える場面が限られる

ガラスレザーは光沢が強い素材になるので、使う場面が限られます。
葬儀や結婚式、厳格な式典などの場合は強い光沢のある素材や、装飾品は避けるべきだと言われています。

職種によっては控えた方がいいものも!
このようにどのような場面でも使える訳ではない点がデメリットと言えます。
ガラスレザーの見分け方


ガラスレザーって、どうやって見分ければいいの?
ガラスレザーを見分けるポイントは次の3つです。
- 毛穴の有無
- 艶感
- ツルっとした感触
こちらがガラスレザーと本革の表面を皮革した画像です。

ガラスレザーの方は毛穴が無くのっぺりとしていますが、本革は表面に細かい毛穴があるのが分かります。
見た目も本革の方は光沢の無いマットな質感なのに対して、ガラスレザーの方はワックスでピカピカに仕上げたような美しい艶が出ています。


手入れをしなくてこんなに綺麗なんだね!
靴に触れた感触もガラスレザーの方が樹脂でコーティングされているので、滑らかでツルッとしています。

本革の方は毛穴のザラついた感じがあります。
光沢の有無だけで無く、触れた時の感触が大きく異なるので、本革とガラスレザーは判別しやすいです。
ガラスレザーとエナメルの違い


エナメルも似たような雰囲気だけど、どんなところが違うの?
「ガラスレザー」と「エナメル」は、共に鞣(なめ)した本革を樹脂でコーティングして仕上げるので、非常に似ています。
この2つの素材の違いを深掘りしましょう。

ガラスレザーは鞣した革に「ガラス板」や「ホーロー板」を貼り付けて乾燥させ、やすりで削った後に合成樹脂で表面をコーティングします。
一方で、エナメルの方は鞣した革にそのまま「エナメル」や、「ウレタン樹脂」でコーティングしていきます。

見た目に関してはエナメルの方が艶感が強いです!
ただコーティングをしているだけのエナメルよりも、工程を余分に踏んでいる分ガラスレザーの方が強度や耐久性に優れています。
ガラスレザーは手入れ不要?


ガラスレザー は手入れが必要ないって聞くけど本当なの?
ガラスレザーの手入れに関して、「不要派」と「必要派」で意見が分かれます。
表面に塗っている樹脂が靴クリームを弾くので、靴クリームを塗っても意味がない。
不要派の意見で最も多いのが、「クリームが浸透しないから手入れをしても意味がない」という事。
靴の表面に塗った合成樹脂が靴クリームも弾くので、樹脂の下の革の部分まで栄養分が届きません。

手入れをしても効果がない=手入れは不要という訳ですね。


この話はよく聞くよね!
革靴の専門店などでも、「手入れをしなくても大丈夫」と紹介されることがあります。
普段の手入れはブラッシングのみで、汚れが目立つ場合はきつく絞った雑巾で水拭きをすれば十分と紹介される事も。
続いて、必要派の意見を見てみましょう。
元々の素材は本革を使っているので、クリームを使った手入れするべき!
合成樹脂でコーティングされるものの、樹脂の下の部分は本革を使用しているので、浸透しづらいけどクリームは塗った方がいいという考えです。

ちなみに自分もこちら側の考えです。
樹脂は「塗った後から劣化が始まる」と言われている通り、時間の経過によるひび割れやコーティングが剥がれるなど、経年劣化を避けられません。
問題は、ひび割れの隙間から雨水や汚れが革に染みてしまうこと。

元々の本革部分に水が染みてしまうと、革にとっては悪影響。
乾燥して柔軟性が失われた靴を履き続けていると。革本体にひび(クラック)が入ってしまいます。

コーティングだけじゃなくて、元の本革が割れちゃうんだね。
樹脂のひび割れだけなら問題はありませんが、革がひび割れてしまうと修理が必要になったり最悪の場合は履けなくなってしまう可能性も。

水濡れ・汚れに強いと言われても安心できません。
でも、水や汚れが浸透してしまう可能性があるのなら、靴クリームなども定期的に塗っておけば浸透してくれる可能性もありますよね?


判断が難しいので、定期的にクリームを塗っておいた方が安心ですね。
樹脂のひび割れを防ぐことはできませんが、本革部分のひび割れは日々のメンテナンスで防ぐことができます。
なので、他の革靴と同様にガラスレザーの靴も定期的に手入れをした方がいいという考えです。

どちらの考えも一理あるから、自分が納得できる方法で自分の靴と付き合っていこう!
ガラスレザーの手入れ方法

ここでは、ガラスレザーの靴の手入れ方法について、必要な道具と手入れの手順を解説します。
使用する道具は次の通りです。

- 馬毛ブラシ
- 豚毛ブラシ
- ワックス
- 靴クリーム
- 布
- クリーナー

本革の靴の手入れに使う道具とほとんど変わりません。
靴磨きの道具でおすすめの商品や選び方については、こちらのブログで詳しく紹介しておりますので気になる方はチェックしてみて下さい。
事前準備として靴紐を外しておきましょう。

靴紐を外しておくとシュータンの付け根部分など、細かい部分まで入念に手入れを行う事ができます。
順番に解説していきます。
馬毛ブラシでブラッシング

馬毛ブラシでブラッシングをして靴の表面に付着した汚れを落とします。
- 塵
- ホコリ
- 花粉
- 黄砂
特にパーツとパーツの縫い目部分や、コバとアッパーの間の部分は汚れが溜まりやすいので入念にブラッシングを行います。


方足30秒から1分くらいブラッシングすればOKです!
クリーナーで汚れ落とし

クリーナーを使って表面に吸着した油性や水性の汚れを落としましょう。

クリーナーは指で直接塗るのではなく、布を指に巻いて使用します。
布を使うと古いクリームやワックスが使用面に吸着して汚れて来るので、綺麗な面に交換します。

ガラスレザーは履きジワが入りやすく、汚れが吸着しやすいのでしわが入っている部分を入念にクリーナーで汚れを拭き取りましょう。
汚れを完全に拭き取ろうとすると靴への負担が大きくなってしまうので、うっすらと布に汚れが残る程度で終わりにします。
靴クリームで栄養補給

靴クリームを薄く全体に塗り広げましょう。
一度に大量に取ってしまうと靴クリームが無駄になってしまうので、少量ずつ取って足りなくなったら補充するようにしましょう。


目安はコーヒー豆1粒分だよ!
指先のクリームの量が減ると滑りが悪くなるので、再度少量ずつ補充します。
履きジワ部分はシワの向きに合わせてクリームを塗ると、シワの奥までクリームを浸透します。

靴クリームには蝋分が含まれます。
靴全体に塗り広げていると、靴の表面が蝋分で覆われて白く曇ってきます。


靴全体を蝋分の膜で覆うことができれば完了です。
豚毛ブラシでブラッシング

豚毛ブラシで靴全体をブラッシングします。
豚毛ブラシを使う理由は次の3つ。
- 余分な靴クリームを弾き落とす
- 靴クリームの浸透を助ける
- 革のマッサージ
靴クリームを薄く塗り広げるように意識しても必ず塗りムラができます。
コシの強い豚毛でブラッシングすることで、表面に残った余分なクリームを弾き落とすことができます。

ブラッシングする時には音が鳴るくらい力を入れて行います。
力強くブラッシングすると摩擦熱で塗ったクリームが温められるので、成分が浸透しやすくなり、革をマッサージする効果も期待できます。
乾拭き

ブラッシングが完了したら、布を指に巻いて表面に残った余分なクリームを拭き取りましょう。

余分な靴クリームって豚毛ブラシで落としたんじゃなかったの?
豚毛ブラシでブラッシングをしても、表面の余分なクリームは完全に落としきる事ができません。
指で触れてみると分かるのですが、靴の表面にべた付きが残っています。
ワックスで艶出し

ワックスを靴の表面に薄く塗り広げます。本革と違ってガラスレザーは艶感のある素材なので、厚塗りする必要はありません。

薄くワックスをのせる程度で艶がでます。
靴全体にワックスを塗ったら布を指に巻き付け、指先が少し湿る程度の水をつけて膜を拭き取るように全体を優しく磨いていきます。
ワックスの蝋分が目立たなくなったら完成です。

こちらが手入れが完了した靴です。
汚れを拭き取って軽くワックスをのせただけですが、素材の特徴もあり充分な光沢が!
ワックスを増やして時間をかけて磨けば、より強い光沢を出せます。

この艶感で充分ですね!
【ガラスレザーの手入れ】おすすめのクリーム3選

ここでは、ガラスレザーのお手入れにおすすめクリームを3つ紹介します。
お手持ちの靴クリームでは不安な方は、この中から試してください。
【サフィール】ユニバーサルレザーローション

靴の手入れをしたいけどなるべく時間をかけたくない、でも水拭きだけだと不安・・・。
そんな方には、サフィールの「ユニバーサルレザーローション」がおすすめ!
「汚れ落とし」、「栄養補給」、「艶出し」をまとめて行えるハイブリッドローションです。

ローションなので、履きジワ部分に浸透しやすいです。
ユニバーサルレザーローションの特徴・詳しい使い方については、こちらのブログで解説しています。
【TARRAGO(タラゴ)】セルフシャイン

ガラスレザーの手入れにおすすめしたい靴クリームが、TARRAGO(タラゴ)のセルフシャインです。
定着力の強いので、クリームがのりづらいガラスレザーの手入れにも最適です。

こちらの動画でも着色力の高さからおすすめされてました!
クリームタイプとリキッドタイプがあるので、自分の好みに合わせて使い分けて下さい。
【Boot Black(ブートブラック)】コレクションズシュークリーム

「コレクションズシュークリーム」は靴クリームの中でも、特に着色力の高いクリーム。
非常に細かい粒子を使用しているので、ガラスレザーのような表面がコーティングされている靴にも着色できます。

もちろんスムースレザーの手入れにも使えます♪
【ガラスレザー】おすすめの革靴 3選

ここでは、ガラスレザーを使用した革靴でおすすめのモデルを3足紹介します。
REGAL(リーガル) 315R

ガラスレザーの靴でおすすめなのが、「REGAL(リーガル)」の「315R」。
REGALは日本を代表する革靴ブランド。サイズ・デザインが豊富で、店舗数が多いので実際に試着してみて検討できるのがREGALの強みです。
全身ブランドから通算すると150年を超える歴史をほこり、日本人に愛されてきたブランドです。

靴選びに迷ったら、日本人の足に合うREGALがおすすめ!
商品名 | 315R |
サイズ | 23.5cm~27.0cm |
ソール | 合成ゴム |
製法 | グッドイヤーウェルト製法 |
原産国 | 日本 |
JALAN SRIWIJAYA(ジャランスリワヤ) 98348

「JALAN SRIWIJAYA(ジャランスリワヤ)」は2003年にインドネシアで誕生したブランド。
ブランド誕生から20年ほどですが、前身の「フォルトゥナ・シューズ」は1919年創業なので、通算すると100年以上の歴史があります。
「HIGH SHINE LEATHER(ガラスレザー)」を、最高の製法「ハンドソーンウェルテッド製法」で作られた靴をお手頃な価格で購入できます。

この価格で購入できるのは衝撃です!
商品名 | 98348 |
サイズ | UK5.0(23.5cm)~UK10.0(28.5cm) |
ソール | ダイナイトソール |
製法 | ハンドソーンウェルテッド製法 |
原産国 | インドネシア |
Berwick(バーウィック) 3680

「Berwick(バーウィック)」は1991年に誕生したスペインの革靴ブランド!
品質の高さが特徴で、耐久性と堅牢性を兼ね備えたグッドイヤーウェルト製法を採用。
高品質な革靴をリーズナブルな価格で購入できるので、多くの革靴愛好家から愛されています。
商品名 | 3680 |
サイズ | UK5.0(24.0cm)~UK9.0(28.0cm) |
ソール | ダイナイトソール |
製法 | グッドイヤーウェルト製法 |
原産国 | スペイン |
ガラスレザーに関するQ&A

ここでは、ガラスレザーの革靴についてよくある質問をまとめました。
ガラスレザーのひび割れを防ぐ方法はありませんか?
ガラスレザーのひび割れを防ぐ方法はありません。
ひび割れは、靴表面に塗った合成樹脂の経年劣化が原因です。
樹脂は塗った直後から劣化が始まると言われており、防ぐ方法はありません。
ガラスレザーを柔らかくするにはどうすればいい?
ガラスレザーの革靴を履いていて固さを感じる場合は、足が当たる内側部分にデリケートクリームを塗るのがおすすめです。
水分量の多いデリケートクリームを塗ることで、革が柔らかくなるので、履き心地が良くなります。
ガラスレザーの靴は寿命はどのくらい?10年以上履ける?
使用頻度や履き方によりますが、ガラスレザーの靴も10年以上履くことができます。
しかし、履きジワ部分のひび割れや樹脂の剝がれを防ぐことはできません。
ガラスレザーの手入れが必要ないって本当?
意見が分かれますが、ガラスレザーの革靴も手入れしましょう。
合成樹脂の下の革に栄養補給してあげることで、手入れをしない時よりも長持ちします。
まとめ ガラスレザーは雨に強いコスパ最高の素材

今回はガラスレザーの特徴について解説させて頂きました。
特徴をまとめると次の通り。
- 手入れをしなくても艶がある(手入れが楽)
- 傷・水濡れ・汚れに強い
- エイジングは楽しめない
- 価格が安い
- 定期的な手入れがおすすめ
雨用の靴としても使う事ができ手入れも簡単なので非常に使い勝手の良い素材ですが、艶感が強いのでちょっとだけ使う場面では気をつける必要があります。

1足目に定番の本革を買って2足目以降におすすめしたいで素材ですね!
本革にはないメリットがたくさんある素材なので、興味を持った方は購入を検討してみて下さい。