【サフィール】鏡面磨き専用ワックス『アミラルグロス』の使い方を徹底解説!
- 鏡面磨きがうまくいかない
- 鏡面磨き専用のワックスがあるって本当?
- アミラルグロスの使用感が気になる!
「鏡面磨き」に興味を持って靴磨きを始めたという方も多いのではないでしょうか?
でも、いざチャレンジしてみると動画や書籍のように上手く磨くことができずに挫折してしまう人が多いです。
自分も靴磨きを始めた頃はYouTubeを参考に磨いていましたが紹介されている通りに磨いても失敗の連続でした。
自分の様な経験をされている方も多いと思います。
そんな方におすすめしたいワックスがサフィールから販売されている「アミラルグロス」です。
アミラルグロスは販売メーカーが「鏡面磨き専用ワックス」と紹介している通り鏡面仕上げを行うために作られたワックスです。
ただ、使い方を理解していないと性能を発揮できず上手く仕上げる事ができません。
そこで、今回のブログでは「アミラルグロス」について実際に使ってみて分かった事、使用感や注意点について画像付きで詳しく紹介します。
このブログをご覧頂ければ次の内容をご理解頂けます。
- アルミラグロスの特徴
- 使用時に気をつけるポイント
- アミラルグロスを使った磨き
アルミラグロスの性能を理解して使うことでより効率よく鏡面磨きを行う事ができる素晴らしいワックスです。
購入を検討されている方は是非、最後までご覧ください。
『サフィール』ってどんなブランド?
そもそもサフィールってどんなブランドなの?
サフィールはフランスのレザーケア用品老舗メーカーの『アベル社』が展開するシューケア用品のブランドの事です。
サフィールの商品の特徴は革に悪影響を与える成分は使用していないという点です。
革に良くない成分とは次のようなものが挙げられます。
- シリコン
- 石油系溶剤
- 合成樹脂
サフィールが誕生した時代ではこれらの成分を使ったシューケアグッズが主流でした。
上記の原料を使用する事で安価に大量に製造する事が出来たからだと考えられます。
しかし、サフィールは革への負担を考えテレピン油、ビーズワックスなどの天然由来の原料にこだわった当時としては画期的な商品を展開しました。
そのサフィールブランドの掲げる目標とポリシーは「常にその商品が最高の効果を発揮するために、厳選した天然原料から製品を製造し提供すること」で、テレビン油、ビーズワックス、カルナバワックス、オゾケライトワックス、ラノリン、ホホバオイル、ミンクオイル、ニートフットオイル、スウィートアーモンドオイルなどの天然原料にこだわり、革に悪影響を及ぼす合成樹脂やシリコンなどを配合することのない世界で唯一のブランドです。
出典:アベル社
革に負担の少ない天然由来の成分で作られた商品か。人気がでるはずだよね!
アベル社では他にも『サフィールノワール』というブランドを展開しています。
こちらも基本的な考えは変わりませんが、より使用する原料にこだわったハイグレードラインの事です。
アミラルグロスは鏡面磨き専用のワックス
ワックスを革靴に使用する目的は主に次の3つ。
- 艶出し
- 傷からの保護
- 撥水加工
その他にも栄養補給やワックスの色を揃える事で補色などの役割がありますが基本はこの3つと考えておけばOKです。
アミラルグロスの特徴は「鏡面磨き」専用のワックスという点です。
鏡面磨きとはワックスを何層も薄く重ねる事で鏡のような光沢を出す仕上げ方法の事。
『鏡面仕上げ』や『ハイシャイン仕上げ』って言われる事もあるよ!
> 【靴磨き】鏡面磨きの磨き方!失敗しない為の気をつけるポイントを徹底解説!
ワックスには有機溶剤が含まれているので塗り重ねたワックスを溶剤が溶かしてしまうので慣れていないと仕上げに時間がかかってしまったり失敗する原因に・・・。
なので、鏡面磨きを行う為に新品のワックスをあえて乾燥させる事で有機溶剤を揮発させて固いワックスを作り柔らかい物と2つのワックスを使い分ける方法が主流となっています。
アミラルグロスはメーカーの方で最初から固いワックス(仕上げ用ワックス)として販売している商品になります。
有機溶剤が含まれている量が通常のワックスよりも少ないのでその分仕上げまでの時間を短縮する事ができ、強い光沢を出す事ができます。
アミラルグロスの成分
次にアミラルグロスの成分について見てみましょう。
商品名 | 『 アミラルグロス 』 |
製造メーカー | アベル社 |
金額 + tax | ¥1,600 |
容量 | 50ml |
色 | 全2色 |
成分 | ろう、油脂、有機溶剤 |
種類 | 油性 |
アミラルグロスは「ブラック」と「ニュートラル」の2色展開です。
「サフィール」や「サフィールノワール」の他のワックスはラベルを見ると靴クリームとして紹介されていて保革効果を与えると明記されています。
艶を出すだけでなく栄養の補給をする事も出来ると紹介されています!
一方でアミラルグロスにはそうした記載はなく公式HPでは紹介されています。
これは光沢のみを目的とした製品であり、皮革のメンテナンスは目的としていません。
出典:アベル社
本当に仕上げに特化したワックスなんだね!
使用されている原料についてもう少し深堀りしてみましょう。
公式HPやラベル、ネットで紹介されていて使用されている事が判明している原料は次の通りです。
- カルナバワックス
- モンタンワックス
- ビーズワックス
- ミネラルワックス
カルナバワックス
カルナバワックスはサフィールの定番の成分です。
ブラジルロウヤシの葉を原料として艶出し、防水、乾燥を防ぐなど様々な働きがあります。
車用のワックスの原料として使用される事も多く、ギラっとした強い光沢が出るのが特徴です。
モンタンワックス
植物の分解成分を含む褐炭(かったん)という石炭を精製した天然ワックスの事。
石炭から精製されている事もあり硬度があります。
他のサフィールのワックスでは採用される事が少ないのでモンタンワックスが仕上げ用のワックスとして大きな役割があると考えられます。
ビーズワックス
別名『蜜蝋(みつろう)』。
名前の通りミツバチが巣を作る際に分泌される成分から作られているワックスです。
栄養価が高く、艶出しの他にも保革効果も期待できます。
ミネラルワックス
ミネラルワックスとはミネラル=鉱物を主成分とするワックスです。
モンタンワックスと同様に固さのあるワックスと艶を出す働きがあります。
アミラルグロスの特徴!ビーズワックスとの違いは?
次にアミラルグロスがどんなワックスなのか見ていきましょう。
アミラルグロスは仕上げ用のワックスなので非常に固い点が特徴として挙げられます。
普段自分は1回にワックスを使う量を『スマートフォンの画面を指でスクロールする位の強さで撫でて指先についた量でOK』と紹介しています。
しかし、アミラルグロスの場合はワックスの上で指を滑らせてみても指先に殆ど付着する事がありません。
サフィールから販売されている「ビーズワックス」と比較してどの程度違いがあるのか検証してみました。
どちらのワックスも同じ要領で指先にとり、どの程度ワックスが指先に付着しているのか用紙の上に塗ってみました。
下の『ビーズポリッシュ』の方は用紙が湿るくらいの量が付着していたのに対して『アミラルグロス』の方はほとんど用紙に付いていないのが分かります。
固いワックスだから使う時もほとんど指先に付かないんだね!
指先にほとんど付着せずに伸びも良くないので下地作りには不向きと言えます。
『アミラルグロス』を1つだけで仕上げまでを行うのではなく『ビーズワックス』のような柔らかく伸びがいいワックスで下地を作ってから仕上げの際に使うとワックスの特徴を最大限に発揮できます。
柔らかいワックスとの併用を前提に考えましょう!
これ1つでOKというよりも2つ目、3つ目に購入するワックスですね!
匂いはサフィールのワックス特有の独特な香りがします。
溶剤の香りというよりもビーズワックスの香りが特徴的で好みが分かれる香りだと思います。
容器の蓋はねじ込み式のスクリュータイプになっています。
使用する際に手間がかかりますが、スクリュータイプの方が気密性がしっかりしていて乾燥しづらいのでここは嬉しいポイントです。
- 鏡面磨きを短時間で仕上げたい方
- 鏡面磨きが上手くいかない方
アミラルグロスを取り扱う際の注意点!
アミラルグロスは仕上げに特化した素晴らしいワックスですが、取り扱う際に特に注意してほしい事があります。
仕上げ用のワックスは乾燥させてドライワックスにする事でより効率的に光沢を出す事ができると紹介させて頂きました。
> 【靴磨き】2種類のワックスの使い方!ソフトワックスとドライワックスとは?
なので、ドライワックスは乾燥させる=もっと簡単に仕上げられると考えてしまいそうですがアミラルグロスはすでにドライワックスとして完成している商品です。
必要以上に乾燥させるとより扱いが難しく、最悪の場合ボロボロに崩れてしまいます。
アミラルグロスのような固いワックスは使い終わったらすぐに蓋を閉めるなど乾燥しないように気をつけましょう!
アミラルグロスで手入れ
次は実際にアミラルを使って靴を手入れしていきたいと思います。
使用する靴はドクターマーチンの「3ホールシューズ」です。
仕上がりの違いを比較する為に同ブランドから販売されている『ビーズワックス』と磨き比べてみます。
『ビーズワックス』は柔らかいワックスに分類されます!
手入れの手順は次の通りです。
- 馬毛ブラシで汚れ落とし
- クリーナーで汚れ落とし
- 靴クリームで栄養補給
- 豚毛ブラシでブラッシング
- ワックスで下地作り
- ワックスで磨き
- 山羊毛ブラシでブラッシング
- 水研ぎ
今回は①~⑤の作業は予め仕上げてあります。
詳しい靴磨きの手順についてはこちらのブログで詳しく紹介しておりますので併せてご覧ください。
どちらの靴もサフィールの『ビーズワックス』で下地を5層作りました。
『アミラルグロス』はより早く、強く、光らせる為に開発されたワックスとラベルに表記されています。
本当に短時間で強い光沢を出す事ができるのか仕上げの磨きを2分という短い時間に設定して磨いてみました。(水研ぎの時間は別です。)
こちらが磨き終わった靴です。
ぱっと見た感じどちらの仕上がりも特に違わないように思うけど・・・
もう少し細かく見ていきましょう。
つま先部分をアップにして撮影してみました。
短時間での磨きになりましたが、アミラルグロスで磨いた方の靴はギラっとした光沢が出ているのが分かります。
鏡面に仕上げた部分に映っている風景が割とくっきりしていますね!
時間をかけて磨けばもっと綺麗になりそうです!
もう一方のビーズワックスで仕上げた方の靴を見ていきましょう。
こちらの靴も光沢は出ていますが、鏡面部分に反射している風景がアミラルグロスで仕上げた方の靴と違って輪郭がぼやけていますね。
本当だ!こうやって比べてみるとはっきり分かるよ!
次はもっと分かりやすくする為にそれぞれのワックスのラベルを鏡面部分に反射させてみました。
アミラルグロスの方は「SAPHIR」のブランドロゴがはっきりと認識できるのに対してビーズワックスの方はぼやけてしまっています。
アミラルグロスのここが気になる!
次にアミラルグロスで気になったポイントを2点紹介します。
- 1gあたりの金額が割高
- カラーバリエーションが少ない
順番に解説していきます、
1gあたりの金額が割高
1つ目に気になった点が1gあたりの金額が割高という点です。
『サフィール』のハイグレードラインとして『サフィールノワール』というラインナップがあると冒頭で紹介させて頂きました。
『サフィールノワール』でも同様に仕上げ専用ワックスの「ミラーグロス」というワックスが販売されています。
>サフィールノワール「ミラーグロス」とは?鏡面磨きが簡単にできるワックスの使い方!
サフィールノワールの商品の方がより厳選された原料を使用している事は公式HPでも明記されています。
サフィール・ノワール(MEDAILLE D’OR)は高級シューケアブランド サフィール(SAPHIR)の中でも最高品質を誇るハイグレードラインであり、数あるシューケアブランドを代表する珠玉の逸品です。
出典:アベル社
原料などを考えるとミラーグロスの方が高額になると考えられます。
そこで、アミラルグロスとミラーグロスの料金を比較してみました。
容量 | 金額 + tax | 1g あたり | |
アミラルグロス | 50ml | ¥1,600 | 32円 |
ミラーグロス | 75ml | ¥2,200 | 29.3円 |
あれ?1gあたりはアミラルグロスの方が高い?
料金で見るとミラーグロスの方が2,000円を超えており高額に感じますが、1gあたりで計算するとアミラルグロスの方が高くなります。
ハイグレードラインよりも1gあたりでは割高というのはネックですね。
ただ、仕上がりに関しては劇的な違いはあるとは感じません。
ミラーグロスは75mlとワックスとしては大容量なので使いきれないと乾燥して扱いづらくなってしまいます。
なので、容量が少なく価格が安いアミラルグロスの方が購入するハードルが低く初めてドライワックスを購入する方は選択肢の1つとして考えてもいいと思います。
まとめ
今回はサフィールの『アミラルグロス』についての紹介をさせて頂きました。
購入してからすぐにドライワックスとして使えるので仕上げ用のワックスを探している方におすすめできるワックスだと思いました。
- より短時間で仕上げたい
- 強い光沢を出したい
- 鏡面磨きを成功させたい
こんな方は是非一度、手に取ってみて下さい。
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