【革靴】ワックスと靴クリームの違い!使い方・おすすめ商品を徹底解説!
- 靴クリームとワックスは何が違うの?
- 手入れの時は両方使った方がいい?
- それぞれの使い方を教えてほしい!
皆様は革靴のお手入れをされていますか?
革靴を手入れするシューケアグッズとして定番の商品が「靴クリーム」と「ワックス」です。
定番の道具なのですが使い方に不安がある方が多く調べてみると次のようなコメントを見かけます。
- 「靴クリームとワックスの違いが分からない!」
- 「片方だけ使えばいいの?」
- 「SNSによって片方しか使わなかったり、両方使ったりするのはなんで?」
紹介するサイトによって靴クリームだけで手入れをしたり、両方使っていたりするので余計に分かりづらいですよね。
このブログでは『靴クリームとワックスの違い』について分かりやすく紹介します。
- 靴クリームとワックスの違い&特徴
- おすすめの靴クリームとワックス
- 手入れ方法と頻度
靴クリームとワックスの違いを図解を交えて分かりやすく解説します。
それぞれの特徴を理解する事で理想とする手入れが出来る様になり、雑誌やSNSで手入れ方法に違いがあっても同様する事が無くなります。
是非、最後までご覧ください。
靴クリームとワックスは何が違うの?
靴クリームとワックスの違いがイマイチ分からないよ~。
まずは靴クリームとワックスの成分を見てみましょう。
- 油脂
- 有機溶剤
- 蝋(ろう)
あれ、どっちもこの3つの成分で構成されているよ!
写真でご覧頂いて分かる様に靴クリームもワックスの上記の3つの成分で構成されています。
各メーカーごと油脂や蝋に使用する原料や配合する量に違いがありますが主な成分はこの3種類になります。
- 油脂 ・・・・ 革への栄養補給
- 蝋分 ・・・・ 艶出し
- 有機溶剤 ・・・ 油脂と蝋分をまとめる
どちらも同じ成分から作られているのでメーカーによっては靴クリームを「ポリッシュ」と言ったりワックスを「靴クリーム」と販売したりしているのでより混乱してしまう方が多いです。
そりゃ勘違いしちゃうはずだね・・・
ややこしいですがどちらも間違いではありません。
今は靴クリームやワックスと明確に記載されている商品が増えてきていますね!
靴クリームとワックスの違いは「栄養補給」をメインにしているのか「艶出し」をメインにしているのかという点です。
こちらが靴クリームとワックスの成分の構成比率を簡単にまとめたものです。
靴クリームには油脂が多く含まれているので靴に水分や油分を補給して革を柔らかくする事を目的にしている事が分かります。
一方のワックスは蝋分の構成比率が高く栄養補給よりも艶出しを主な目的としている事が分かります。
同じ成分で作られているけど配合されている量が違うから効果も変わってくるんだね!
この点が分かりづらい所でどちらにも同じ成分が含まれているので靴クリームで艶を出す効果もありますし、ワックスでも栄養補給をする働きがあります。
それぞれの役割や特徴についての詳細は後述します。
手入れで使用するタイミングは次の通りです。
靴磨きの目的は靴を最適な状況に保つ事なので最低限汚れ落としまで行えば最低限の手入れは完了しています。
艶出しの工程は「光沢感を出す」ことや「傷や水濡れからの保護」を目的としているので極論で言えばやらなくても大きな問題はありません。
だから靴クリームだけで手入れが終わっちゃう事があるんだね!
靴クリームによっては蝋分が多く含まれている物もあるのでワックスを使わなくても充分な艶がでます。
なので、靴クリームだけで手入れを完了させる事もあります。
こちらが靴クリームだけで手入れを行ったと仕上げる前の靴を比較した画像です。
ご覧頂いて分かる様に、栄養補給をメインとした靴クリームだけでも十分な艶感が出いていう事が分かります。
これぐらいの仕上がりで充分って人もきっといるよね!
続いてこちらの靴が「靴クリーム + ワックス」で手入れを行った靴。
つま先がピッカピカに光ってる!
こっちの仕上がりの方がカッコいいね!
ワックスを塗り重ねる事で見た目が良くなりますが、作業量が増えてしまうのでその分仕上げに時間がかかってしまいます。
革靴の手入れ方法は「靴クリーム + ワックス」で仕上げるのが主流ですが、栄養補給やちょっとした艶出しで充分なら靴クリームだけでも問題ありません。
靴の手入れで使う革靴用のクリーム
靴の艶出しや栄養補給を行う際に使用されるシューケアグッズをまとめてみました。
- ワックス
- デリケートクリーム
- 靴クリーム
デリケートクリーム?(また新しいクリームが出て来たぞ・・・)
それぞれの役割や特徴を順番に解説していきます。
ワックス
ワックスは『艶出し』に特化したシューケアグッズの事です。
写真の様に缶の容器に入れて販売されている事が多いです。
- 艶出し
- 防水
- 傷からの保護
ワックスを塗る事で靴の表面を蝋分でコーティングします。車のワックスと同様に使用すると靴に光沢が出て高級感のある仕上がりになります。
他のレザーアイテムとは異なり見た目も重視される革靴ならではの道具って事だね!
ワックスを何層にも薄く塗り重ねる事で靴の表面を鏡の様に光らせる鏡面磨きというテクニックもあります。
表面をコーティングする事で見た目が良くなるだけではなく革靴の天敵の水を弾き、傷から靴を守る役割もあります。
靴の表面に傷が付いてしまってもワックスを落としてみたら、「靴本体には傷が入っていなかった」という事が何回もあります。
- 目的は「艶出し」
- 見た目の光沢感を出す、傷・水から靴を守る
- 手入れで使わなくても問題ない
デリケートクリーム
デリケートクリームは栄養補給に特化したクリームの事です。
靴クリームやワックスと異なり、「蝋分」・「有機溶剤」が殆ど含まれていません。
靴クリームよりも更に栄養補給に特化したクリームです。
デリケートクリームを使う目的は「革への栄養補給」です。
油脂や保革を目的とした成分が大半を占めています。栄養補給をメインにしているクリームなので靴クリームと同様の使い方がおすすめ。
靴クリームと比べても油分の量が少ないのでシミになりにくいので乾燥している靴や状態の悪い靴の手入れを行う際にまず最初に使用されます。
革靴以外のレザーアイテムの手入れにも使用する事ができるので非常に重宝するクリームです。
必須のクリームという訳ではありませんが、1つ持っておくと手入れ出来る範囲が広がりますよ!
蝋分が含まれていないので艶のないマットな雰囲気に仕上がります。
靴クリームとの大きな違いは「蝋分の有無」です。
どちらの栄養補給をメインとしていますが、蝋分の有無により靴クリームは光沢感のある仕上がりに、デリケートクリームはマットな仕上がりになります。
蝋分の有り無しで仕上がりが全く別物になっちゃうんだね!
革靴(特に紳士靴)の場合は見た目の光沢感も重視されるので蝋分を含む靴クリームを選ぶのが無難と言えます。
一方で、アウトドアシューズなど艶を出したくない靴の場合はデリケートクリームを使用するのがおすすめです。
どちらのクリームが優れているという事ではなくて、靴の状態や仕上げる目的に合わせて使い分ける様にしましょう!
> デリケートクリームの特徴・詳細を解説したブログをチェック
- 目的は「栄養補給」
- 乾燥した靴の手入れには優先してデリケートクリームを使う
- 艶のないマットな仕上がりになる
靴クリーム
靴クリームは『栄養補給』と『艶出し』を同時に行う事ができるクリームの事。
靴クリームは写真のような瓶の容器に入って販売されている商品が多いです。
革靴用のクリームと言えば靴クリームですね!
- 栄養補給
- 艶出し
- 補色
靴クリームの最も重要な役割が栄養補給です。
ワックスよりも栄養の元となる油脂が多く含まれています。栄養補給を行いつつ艶を出す事ができるので非常にバランスの良いクリームです。
名前の通り、靴の手入れに最適なクリームの為の道具だよね!
靴クリームはカラーバリエーションが豊富なのも特徴の1つ。クリームによっては80色を超えるものも販売されていて革靴の色に合わせる事で傷や経年劣化で薄くなった部分を補色する事ができます。
また、靴クリームは大きく分けて『乳化性クリーム』と『油性クリーム』に分類されます。
2つのクリームの大きな違いは『水分』を含むかどうかという点です。
乳化性クリームの方が水分を含んでいるクリームなので伸びがよく柔らかいのでとても扱いやすいです。
油性クリームは水を含まない代わりに蝋分が多く含まれているのでクリームを塗るだけでもワックスを使用したような強い艶を出す事が出来ます。
簡単にまとめると靴クリームで『栄養補給』をメインにしたいなら乳化性クリーム。
『艶出し』に重点を置きたいなら油性クリームという様に使い分けましょう!
> 乳化性クリームと油性クリームの違いについて解説したブログをチェック
- 目的は「栄養補給」
- 栄養補給・艶出しをバランスよく行える
- 「乳化性」と「油性」に分類される
革靴に使うクリームのまとめ
以上を踏まえて先程の構成比率の図をもう少し深堀してみます。
デリケートクリームと乳化性クリームは栄養の元となる油脂が豊富に含まれているので「栄養補給」を重視。油性クリームとワックスは艶を出す蝋分が多く含まれているので「艶出し」が重視されている事が分かります。
靴クリームの色は無色・薄い色がおすすめ!
靴クリームの色選びに迷ったら次の2つを参考に考えてみて下さい。
- 無色を選ぶ
- 靴と同じ色(少し薄め)を選ぶ
無色の靴クリームを選ぶ最大のメリットは他の革靴にも流用できる事です。
靴クリームは豊富なカラーバリエーションが展開されているので靴ごとに買いそろえていると使いきる前にクリームの劣化に伴い処分してしまうという事も珍しくありません。
靴を補色するというメリットは無くなってしまいますが手持ちの革靴の手入れを1つのクリームで行う事が出来るのは嬉しいポイントです。
色付きの靴クリームを購入する時は靴の色よりも少し薄めの色を選びましょう。
靴の色よりも濃い色を塗りつづけてしまうと徐々にクリームの色に染まってしまい、購入当初の靴と違った印象の靴になってしまいます。
狙ってそういう事をする人もいるみたいだけど、できるだけ元の色を残したいよね。
靴クリームの色選びに迷った時は靴の色よりも少し薄い色のクリームを選ぶのが鉄則です。
特にネットショッピングで購入する場合は色の判断が難しいので自分が想像する色よりも少し薄いくらいの色を選んでみて下さい。
靴クリームの色選びは分かったけど、ワックスの色を選ぶ時はどうすればいいの?
ワックスについても基本的には同じ考えでOKです。
無色を購入すれば色ごとにワックスを揃える必要がなく汎用性が高くなります。色付きのワックスを選ぶ場合も靴に近い色の物を購入しましょう。
ワックスのカラーバリエーションは靴クリームと比べるとかなり少ないです。
靴クリームの着色力が高いので、補色は靴クリームに任せてワックスの色付けはあくまで補助的なイメージでOKです。
- 無色のクリームは使いまわしが効く!
- 靴クリームは気持ち薄めを選ぶ!
- ワックスも同様の考えでOK!
おすすめの靴クリーム & ワックス
一度にたくさんのクリームが出てきたからどれを買えばいいのか迷っちゃうなぁ。
デリケートクリームや乳化性クリーム、油性クリームなど色々な種類のクリームが一度に出てきたので購入する時に悩んでしまう方も多いと思います。
自分がおすすめするそれぞれの商品を紹介します。
- デリケートクリーム ・・・ [M.モゥブレィ] デリケートクリーム
- 乳化性クリーム ・・・・・ [Boot Black] SHOE CREAM
- 油性クリーム ・・・・・・ [サフィールノワール] クレム1925
- ワックス ・・・・・・・・ [サフィールノワール] ビーズワックスポリッシュ
デリケートクリーム [M.モゥブレィ] デリケートクリーム
デリケートクリームのおすすめはM.モゥブレィのデリケートクリーム。
「デリケートクリームと言えばコレ!」という方も多く定番のクリームです。
「ラノリン」と呼ばれる高い保湿力と革を柔らかくする成分が含まれており、革の栄養を補給するだけでなく、新品の靴で革が固く痛みを感じる箇所や靴擦れが酷い箇所にデリケートクリームを塗って痛みを和らげる事ができます。
デリケートクリームは蝋分が含まれていないので靴の内側にも問題なく使用する事ができます!
> M.モゥブレイ デリケートクリームを詳しく紹介したブログをチェック
乳化性クリーム [Boot Black] SHOE CREAM
Boot Blackはシューケアグッズの老舗ブランド「コロンブス」が展開する靴磨き愛好家に人気のラインナップです。
Amazonや楽天市場などのネット通販はもちろんのこと靴の専門店や雑貨店でも取り扱いがあるので実物を見て判断できます。
カラーバリエーションも全38色もあってほとんどの色の靴に対応できるよ!
> Boot Black SHOE CREAMを詳しく紹介したブログをチェック
油性クリーム クレム1925
クレム1925は販売開始から100年近い歴史を誇る大人気の靴クリームです。
2019年に開催された靴磨き世界チャンピオン決定戦『Shoeshining Champion of Champions2019』でファイナリストの6人全員が勝負クリームとして選んだという実績もありプロからも実力が認められているクリームです。
ファイナリスト全員が選ぶなんてすごすぎますね!
油性クリームでありながら乳化性の様な伸びの良さで初めて購入するクリームとしてもおすすめしたい商品です。
ワックス [サフィールノワール] ビーズワックスポリッシュ
上で紹介したクレム1925と同様、サフィールノワールのラインナップのワックスです。
シリコンやパラフィンなど革に害のあるものは一切使用せず、天然原料にこだわったワックスで柔らかさもあり使いやすいワックスです。
『濡れ艶』と呼ばれる程の強い光沢を出す事ができ、多くの靴磨き愛好家に使用されています。
どこの靴磨き専門店に行っても絶対に置いてあるよ~。
> ビーズワックスポリッシュを詳しく紹介したブログをチェック
靴クリーム・ワックスを使った磨き方
おすすめの靴クリームやワックスも分かったよ!
次は実際にどうやって靴の手入れをやるのかが気になる!
靴磨きの手順を確認してみましょう。
- 馬毛ブラシとクリーナーで汚れ落とし
- 靴クリームで栄養補給
- 豚毛ブラシでブラッシング
- ワックスで仕上げの磨き
- 山羊毛ブラシでブラッシング・水研ぎ
大まかな流れはこのようになります。詳しい手入れの工程はこちらのブログをご確認下さい。
靴クリームは②の工程、ワックスは④の工程で使用します。
靴クリームの使い方
靴クリームは指先にコーヒー豆1粒分を取って全体に塗り広げます。
履きジワ部分は特にダメージが大きいポイントなのでシワの向きに沿って入念にクリームを塗ります。
靴クリームを全体に塗り広げていくとクリームに含まれる蝋分で靴の表面に画像の様な膜が出てきます。この膜で靴全体を覆う事ができれば靴クリームを塗る作業は完了です。
豚毛ブラシで蝋の膜が無くなるまで全体を力強くブラッシングを行えば綺麗な艶が出ます。
ワックスの使い方
ワックスを使用する工程は次の通りです。
- 下地作り
- 仕上げの磨き
ワックスを指に取って下地を作りましょう。
下地でワックスの毛穴を埋めて平らにならします。下地を作る事で仕上げの磨きの時に綺麗な艶を出す事が出来ます。
履きジワ部分などシワが入る部分はワックスを塗り込んで磨いても割れてしまうので避けるようにしましょう。
下地作りが完了したら布に少量のワックスと水を使って磨いていきます。
仕上げの磨きをする場合は指先に布を巻きましょう。
仕上げの磨きは力を入れずに表面を撫でるくらいの感覚で何回もワックスを薄く重ねていきます。好みの艶が出たら最後に使う面を綺麗な面に交換して水だけを使って磨けば完了です。
鏡面磨きの詳しいやり方や細かいテクニックについてはこちらのブログで詳細に解説していますので併せてチェックしてみて下さい。
靴磨きの頻度
靴の手入れの頻度に関しては様々な意見がありますが1か月に1回クリームとワックスを使った手入れを行えば充分です。
自分が調べてみて手入れを行うタイミングは次の方法で管理されている方が多かったです。
- 月に1回手入れ
- 8~10回履いたら1回手入れ
- 100時間履いたら手入れ
それぞれメリットとデメリットがありますが最も簡単な管理方法が「月に1回手入れ」をする方法でした。
細かく管理をした方が靴にとって最適な手入れができますがその分、手間もかかるのでハードルが高くなってしまいます。
定期的な手入れを行う事が重要なので最初は1か月に1回手入れを行うところからスタートしましょう!
少しずつ慣れてきたら様々な方法で靴を管理してみて下さい。
まとめ 靴クリームとワックスの違いは構成比率
今回は靴クリームとワックスの違いについて紹介させて頂きました。
どちらも同じ成分から作られていてサイトによって手入れ方法が違うので迷ってしまう方も多いと思います。
しかし、それぞれの特徴や違いを理解しておけばサイトごとに手入れ方法が少し違った場合でも「あっ、このブログだとここで終わらせるんだ」と判断する事が出来ます。
靴クリームとワックスの違いを理解して使い分けましょう!
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