革靴の補色はコレ!ブートブラック コレクションズクリームの使い方を解説!
- 靴の色が落ちてきた・・・
- 靴クリームで補色する事ができる?
- 補色効果の高い靴クリームを教えてほしい!
革靴の色落ちを補色すると言われて真っ先に思い浮かべるのが靴クリーム。
ブログや雑誌などで調べてみてもこのように紹介している事が非常に多いです。
しかし、実際に色付きのクリームを購入して使用してみても「思っていたよりもクリームの色がのらない」と感じている方が多いのではないでしょうか?
自分も初めて靴クリームを購入した時は思っていたよりも色がのらずにショックでした。
そんな方におすすめしたい靴クリームが『コレクションズクリーム』です。
コレクションズクリームは「ナノ顔料」を使用した着色力に優れた靴クリームです。
また貴重な「アルガンオイル」を配合する事で靴への栄養補給にも優れた素晴らしい靴クリームです。
今回は『コレクションズクリーム』について詳しく画像付きで詳しく紹介します。
このブログをご覧いただければ次の内容がご理解頂けます。
- コレクションズクリームの特徴
- 「ナノ顔料」とは?
- 使い方と使用時の注意点
- 靴の補色をメインに考えている!
- アンティーク調に磨きに挑戦したい!
- 靴の風合いを変化させたい!
『コレクションズクリーム』とは?
『コレクションズクリーム』ってどんな靴クリームなの?
コレクションズクリームはシューケアグッズの老舗ブランド『コロンブス』の最高級ライン、「Boot Black」シリーズで展開されている靴クリームの事です。
商品名 | コレクションズクリーム |
ブランド | コロンブス Boot Blackシリーズ |
金額 | ¥2,200 + tax |
容量 | 85g |
成分 | ろう ・ 油脂 ・ 有機溶剤 |
カラー | 全7色 |
種類 | 乳化性 |
コレクションズクリームは乳化性の靴クリームなので伸びが良く塗り広げやすいので非常に扱いやすいです。
乳化性靴クリームと油性靴クリームの違いはこちらのブログで詳しく紹介しておりますので併せてご覧ください。
コレクションズクリームは85gと大容量なのもおすすめしたいポイントです。
人気のある靴クリームと比較してみたところ1gあたりの単価が安くコスパにも優れたクリームと言えます。
商品名 | コレクションズ クリーム | アーティスト パレット | クレム1925 | THE CREAM |
金額 + tax | ¥2,000 | ¥2,200 | ¥2,200 | ¥3,000 |
容量 | 85g | 35g | 75g | 75g |
1gあたり | ¥23.5 | ¥62.8 | ¥29.3 | ¥40 |
コレクションズクリームは「染料ベース」の靴クリームです。
染料がベースの靴クリームは、クリームの色が使う度に靴に浸透していくので使い続ける事で自分好みの色に育てる事ができます。
コレクションズクリームの最大の特徴は水性染料の他にも「ナノ顔料」を配合している点です。(ナノ顔料については後述します。)
ナノ顔料とは普通の顔料よりもサイズの小さい「ナノ粒子サイズ」の顔料の事です。
『水性染料』の配合量が多く、『ナノ顔料』を併用している点も大きな特徴。
靴の表面部分は「ナノ顔料」で着色しつつ、水性染料が少しずつ革に浸透していき少しずつ靴の風合いを変化させます。
「顔料」と「染料」を併用する事で即効性がありながら、使い続ける事でより色を浸透させる事ができるんだね!
革の表面に色がのりやすいので「傷で色が剝がれてしまった」、「履き込んでいるうちに色が薄くなってきた」といった靴の補色に最適です。
また、靴よりも濃い色の靴クリームを使う事であえて履き込んだ雰囲気を出す『アンティーク磨き』の下地作りに最適です。
カラー
コレクションズクリームの色は全部で7色が展開されています。
- ブラック
- エスプレッソ
- コニャック
- チェスナット
- プルーン
- マリン
- ローズボルドー
販売された当初は全6色でした。
名古屋の靴磨き専門店『GAKU YAMAZAKI』でアーティストパレットの別注カラーとして販売されていた『ローズボルドー』がコレクションズクリームにも追加され、現在は全7色での展開となっています。
「ローズボルドー」はAldenの#8にピッタリの色合いだよ!
アーティストパレットでも販売されて話題になったよね!
ローズボルドーのように今後も靴磨き専門店とのコラボから新色が追加され、カラーバリエーションが増える事が期待できます。
成分
コレクションズクリームの商品ラベルに記載されている成分は次の通りです。
- ろう
- 油脂
- 有機溶剤
もう少し配合されている成分を深堀してみましょう。
公式のHP等で確認してみると次の物が使用されている事が分かりました。
- ナノ顔料
- アルガンオイル
ナノ顔料
通常の顔料よりもサイズの小さい顔料の事を『ナノ顔料』と呼びます。
コレクションズクリームは非常に粒子の小さい『ナノ顔料』と水性染料を合わせ作られています。
染料で革に色素を浸透させつつ、ナノ顔料によって表面を着色する事ができるので他の靴クリームと比較して高い着色力を誇ります。
顔料の粒子が小さいとどうして着色しやすくなるの?
靴の表面に顔料の成分が吸着する事で靴クリームの色がのります。
本革(スムースレザー)やヌメ革を使用したの場合は通常の顔料でも問題なく着色する事ができます。
しかし、革の表面をコーティングしてある『ガラスレザー』などの素材の場合は顔料が吸着しづらいのでうまく着色する事ができません。
通常の靴クリームだとガラスレザーに色がのらないんだよね~。
一方でナノ粒子は顔料よりも更に小さな粒子なので、コーティングして吸着しづらくなった革の表面のわずかな隙間に吸着する事ができます。
ナノ顔料の大きさは『1-100nm(ナノメートル)』と言われています。
1nmは100万分の1mmです。
染料に近いより細かい粒子の顔料を採用する事により、表面に顔料を残しつつ染料で革に浸透させる合わせ技によって高い着色力を誇るという訳ですね。
顔料の粒子が細かいからコーティングによって弾かれちゃう素材にも着色する事ができるんだね!
アルガンオイル
「アルガンオイル」はモロッコ南西部に生える「アルガンの木」という樹木があります。
その木の実から抽出される天然のオイルが『アルガンオイル』です。
200個の実からわずか50mlしか採取する事ができない非常に貴重なもので「モロッコの黄金」とも呼ばれています。
同じくコロンブスから販売されている高級ラインの靴クリーム『アーティストパレット』にも採用されていてコロンブスがこだわっている成分だという事が分かります。
美容オイルに採用される事が多い成分で『保湿力の高さ』と『革の栄養補給に優れている』という点も靴クリームとの相性は◎。
着色力に注目されがちだけど、栄養補給の観点からもばっちりだね!
コレクションズクリームの使い方
ブラッシングを繰り返すと〇
乾燥させる事で靴クリームの色が靴に浸透する。
- 馬毛ブラシでブラッシング
- クリーナーで汚れ落とし
- コレクションズクリームを塗る
- 豚毛ブラシでブラッシング
- 布で乾拭き
今回はコロンブスの公式YouTubeでコレクションズクリームを使用したアンティーク磨きの磨き方を紹介している動画を参考にしました。
この動画で紹介されている手順ではワックスは使用されていませんが、仕上げにワックスを使う事でより光沢が強くなり上品な仕上がりになります。
ワックスを使用した靴磨きの手順についてはこちらのブログで詳しく紹介しておりますので併せてご覧下さい。
今回は馬毛ブラシとクリーナーを使った汚れ落としを完了した状態からスタートします。
手入れに使用する道具は次の通りです。
- グローブクロス
- コレクションズクリーム
- 布
- 豚毛ブラシ
STEP1 コレクションズクリームを塗る
コレクションズクリームを靴に塗布していきます。
クリームを塗る際に気をつけなければならない点が『同じ場所で塗り続けない事』です。
クリームを塗る時には薄く何度も全体に塗り広げながら徐々に色味をのせていくイメージで繰り返し塗り重ねます。
イメージとしてはワックスの下地作りに近いイメージですね。
今回は布で塗りましたが指で直接塗るのもOKです。
クリームを塗り始めた段階では少しずつクリームの色が乗り始めた事が実感できると思います。
しかし、層が厚くなるにつれて『上手く色が乗らなくなる』、『塗り重ねていたクリームの色が剥がれてしまった』といったトラブルが起きます。
そんな時は次の2つを試してみましょう。
- 時間を置く
- 豚毛ブラシで軽くブラッシング
少し時間を置く事でクリームの成分が靴に浸透するので、新しくクリームを塗り重ねても下に塗り重ねていたクリームが剥がれにくくなります。
また、豚毛ブラシで軽くブラッシングをする事で靴クリームの色が定着しやすくなるので試してみて下さい。
好みの色になったら次のステップに進もう!
STEP2 豚毛ブラシでブラッシング
豚毛ブラシで全体をブラッシングします。
ここでのポイントは『普段よりも入念にブラッシングをする』事です!
色味をのせる為に、通常よりも多く靴クリームを塗り込んでいます。
この状態のままだと靴の表面にはかなりの量の余分なクリームが残っているので普段のブラッシングよりも入念にブラッシングを行いましょう。
豚毛ブラシのブラッシングで余分なクリームを落としておかないと乾拭きする時にべた付きが残っちゃうから作業がしづらくなっちゃうよ!
STEP3 グローブクロスで乾拭き
次にグローブクロスで表面を磨きます。
グローブクロスが無い場合は柔らかい布で代用可能です!
表面を磨いていると靴のべた付きを取り除く事ができ、靴クリームに蝋分が含まれているので艶が出てきます。
表面にべた付きが無くなれば完了です。
こちらが完成した革靴です。
つま先部分にクリームをのせましたがクリームの色がしっかりと乗っている事が分かります。
このようにクリームで色をしっかりと乗せる事ができれば濃い色のワックスを使ってアンティーク調に仕上げる時に色が出やすくなり効率よく作業を行う事ができます。
今回はコレクションズクリームのみで仕上げましたが、ワックスを使って鏡面に仕上げる事でより光沢を出す事が出来るので是非、チャレンジしてみて下さい。
コレクションズクリームの注意点
コレクションズクリームを使用する上での注意点を3つ紹介します。
- 使用できない革がある
- ムラになりやすい
- 染め替えには使用できない
順番に解説していきます。
① 使用できない革がある
他の靴クリームと同様に使用できない革があります。
使用できない革は次の通り。
- 起毛素材 (スエード・ヌバック)
- 爬虫類革 (ワニ・リザード・ヘビ等)
- エナメル
- その他特殊な革
結構使えない素材が多いんだね。
ガラスレザーに着色が可能という事なので、エナメルにも使いたいと考える方も多いと思います。
しかし、コレクションズクリームには有機溶剤が含まれているのでこれらの革に使用してしまうと革の表面が荒れてべた付いてしまったり風合いを損ねる可能性があります。
この様な素材の靴には溶剤が含まれているクリームではなく「デリケートクリーム」を使用するようにして下さい。
② ムラになりやすい
着色力の高いクリームなので裏を返せば「ムラになりやすい」と言えます。
何も考えずに同じ場所を塗っているとその部分だけ色が濃くなってしまったり、均一に塗れていないと下の画像のように一部分だけ色が薄くなってしまいます。
色が簡単に乗る分より普段以上に均等に塗るように気をつけないとね!
ムラのない仕上がりにする為に次の2点に気をつけましょう。
- 普段以上に薄く塗る事を意識する
- こまめに豚毛ブラシでブラッシング
靴クリームを塗り過ぎてしまうと他のクリームを以上にリカバリーが難しくなります。
自分も塗る量にバラつきがあってクリーナーを使って1からやり直しという事を何度も経験しました。
他の靴クリームを塗る時にも言える事なのですが普段以上に少量ずつ塗って、足りなくなったら補充するという事を意識しましょう。
指先に取る量は『コーヒー豆1粒分』で十分です。
また、ムラを無くすもう一つの対策としてクリームを塗ったらこまめに豚毛ブラシでブラッシングをするようにしましょう。
こまめにブラッシングを行う事でクリームの色を靴に定着させつつ、余分なクリームを落として着色具合を確かめる事ができます。
色がうまく乗ってないと思ったら「塗る」→「ブラッシング」→「確認」を繰り返そう!
着色が悪い場合は一旦時間を置くのもおすすめです。
③ 染め替えに使用できない
高い補色効果のあるコレクションズクリームですが革の染め替えには使用する事ができません。
色がのるって言ってたから全体に塗って靴の色を変えちゃおうと思ってたのに~。
これは公式HPで明確に記載されているので覚えておきましょう!
『コレクションズクリーム』の口コミ
扱いが難いように感じました。
拭き上げで他のクリームよりも時間がかかってしまいました。
他の靴クリームと比べるとちょっと変わった印象でした。
Boot Blackのシルバーラインの靴クリームだと色が乗らずに上手く傷を補色できなかったのですが、コレクションズクリームでは色がちゃんと乗って傷が隠せました。
ブートブラックシルバーラインよりも落ち着いた感じになった気がしますが期待してたほどの艶はなし。
染料含有とのことで、驚くくらい染色力あります!
まとめ
今回はコロンブスのBoot Blackシリーズ『コレクションズクリーム』について紹介させて頂きました。
高い補色効果から使う時に気をつけるべきこともありますが靴磨きの幅を広げてくれる素晴らしい靴クリームです。
大容量なので1度購入すれば長期にわたり使い続ける事ができます。
是非、一度試してみて下さい。
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