革靴はレザーソール(革底)、ラバーソール?靴底の種類と特徴を解説
- 靴底の素材ってどんなものがあるの?
- アウトソールってどの部分?
- ソールごとの特徴を教えてほしい!
皆様は靴を購入する時に何を意識して購入されますか?
ほとんどの方が素材やカラー、デザインなどの見た目を重視して選んでいるのではないでしょうか?
目立たない部分ではありますが見た目部分と同じくらい「靴底の素材」も非常に重要なポイントになります。
靴を購入する時に靴底を意識して購入される方は少ないと思います。
でも、靴底は地面と直接接する部分になるので使われている素材ごとの特徴を理解していないと後々後悔してしまう事になりかねません。
逆に靴底の特徴を理解しておくことで使う場面や、目的に応じて最適な靴を使い分ける事が出来るようになります。
- アウトソールとは?
- 革靴に使われるソールの種類
- それぞれのソールごとの特徴
結論から申し上げると、革靴の購入を検討されている場合は「レザーソール」か「ラバーソール(合成ゴムソール)」のどちらかを選ぶのがおすすめです。
紳士靴の定番として商品数が多く、スタイリッシュなデザインの靴が多いのでこのどちらかを選んでおけば間違いありません。
素材ごとの特徴やメリット・デメリットについても分かりやすく解説しますので是非、最後までご覧ください。
アウトソールとは?
アウトソールってどこの部分の事を指すの?
『アウトソール』とは直接地面に接する部分の靴底のパーツの事です。
アウトを付けずに「ソール」と呼ばれる事が多いですね。
ソールという名前が付くパーツはアウトソールの他にも『インソール』、『ミッドソール』があります。
『インソール』は靴の中に敷く足に直接触れるパーツで、「中敷き」の方が聞き慣れている方も多いと思います。
クッション性の高い素材を使用していたり、低反発や消臭効果など様々な効果があるものが使われています。
靴によって取り外しが出来るもの、出来ないものがあるみたいだね!
『ミッドソール』はインソールとアウトソールの間にあるパーツの事。
着地をした時の衝撃を和らげたり、靴底に異物が刺さった時にインソールまで貫通しない様に足を保護する役割があります。
ミッドソールが厚ければ厚いほど足への負担が少なく、柔らかい履き心地になります。
この3つのソールの組み合わせによって靴の履き心地が大きく変わります。
特に地面に直接触れる部分なので『アウトソール』に何の素材を選ぶのかで様々な違いがあります。
- 滑りやすさ
- 着地した時の感触
- 耐水性
- 手入れの有無 など
アウトソールが違うとこんなに違いが出るんだね!
目立つ部分ではありませんが、履き心地を左右する重要なパーツの1つだと言えます。
アウトソールは大きく分けて3種類
アウトソールは大きく分けて3種類に分類されます。
この中で②ラバーソールは溝の形や、素材の違いによってもう少し細かく分類できるみたいだよ!
基本的にはレザーソールがフォーマル仕様で、ラバーソールがカジュアル仕様とされてきました。
以前はこのような考えでしたが現在はコストの安さや、耐久性の面からラバーソールの人気が高くフォーマルの場での着用も容認されるようになりました。
使用される靴 | 価格 | 手入れ | 種類 | 特徴 | |
レザーソール | 革靴 | 高い | 必要 | ー | 紳士靴の定番 高級感がある |
ラバーソール | 革靴、登山靴 | 普通 | 不要 | クレープソール 合成ゴムソール スタッテッドソール など | グリップ力高い 雨の日にも使用できる 種類が多い |
スポンジソール | スニーカー サンダル | 安い | 不要 | EVAスポンジ ポリウレタンスポンジなど | コスパ〇 非常に柔らかい 軽い |
紳士靴を購入する時には「レザーソール」か、「ラバーソールの合成ゴムソール」を購入するのがおすすめです。
それぞれのソールの特徴についてもう少し深堀りしていきましょう。
レザーソール
『レザーソール』は厚めの革を靴底に使用したソールの事。
紳士靴の定番で紳士靴メーカーもほとんどのメーカーで使用しているソールです。
高級感があり冠婚葬祭はもちろん、ビジネスシーンなどのフォーマルな場に適しています。
革靴特有の歩いた時に「コツコツ」と鳴る音が好きって人も多いよね!
レザーソールはソールを重ねる数によって呼び名が異なります。
- シングルソール
- ダブルソール
- トリプルソール
アウトソールのみのものが「シングルソール」。
ミッドソールを挟んだものが「ダブルソール」、ミッドソールを二重にしたものが「トリプルソール」と重ねる枚数が増していきます。
この3種類は優劣は特にありません。完全に好みの問題です!
そんなレザーソールのメリットとデメリットを見て行きましょう。
レザーソールのメリット
レザーソールのメリットは次の3つ。
- 通気性に優れている
- 耐熱性に優れている
- 返りがいい
革には目に見えない無数の空気の通り道があるので、靴の中にこもった湿気や空気を外に放出する事ができます。
私達の足は一日でペットボトル1本分の汗をかくと言われています。
その為、長時間革靴を履いていると徐々に靴の中が蒸れてきてしまいます。
レザーソールで作られた革靴を履いて入れば、他の素材よりも空気が抜けやすく蒸れにくいので長時間履いても快適に履き続ける事ができます。
熱を吸収しづらいので靴底が熱くなりづらいという特徴も!
アスファルトやコンクリートの上を歩く事が多いビジネスマンにとっても大きな魅力の1つ。
また、レザーソールは購入したばかりは固さがありますが返りが良く、履き込んでいくうちに自分の足に馴染んでいきます。
レザーソールのデメリット
レザーソールのデメリットは次の3つ。
- 滑りやすい
- 水濡れに弱い
- 定期的な手入れが必要
レザーソールは雨の日の使用には不向きというイメージが強いと思います。
その大きな理由が滑りやすく、水濡れに弱いという点です。
新品のレザーソールは表面がツルツルなので大理石や床ガラスなど、滑りやすい路面の上では注意が必要です。
特に雨の日は滑りやすくなります。
またレザーソールを濡れたまま放置してしまうと革が固くなり、履き心地が悪くなるだけでなく最悪の場合ひび割れてしまうことも・・・。
雨の日の使用を避けていてもアッパーの革と同様、定期的に栄養を補給しなければ柔軟性が無くなってくきます。
他のソールと違い定期的に栄養補給を行う必要があるので管理に手間がかかる点もデメリットとして挙げられます。
- 長時間靴を履く方
- 高級感を求める方
ラバーソール
レザーソールと並んで革靴のソールに採用される事が多いのが『ラバーソール』です。
昔は「革靴=レザーソール」というイメージでしたが、今では革靴に採用される事が増えてきており様々な紳士靴メーカーからも販売されています。
ビジネスシーン、私服で使うものから登山用まで幅広い場面での使用に対応できるのがラバーソールの魅力。
幅広いシーンで使用されるラバーソールは素材や底面の溝の形状によって様々なデザインがあります。
- クレープソール(天然ゴムソール)
- 合成ゴムソール(合成ゴム)
- スタッテッドソール(円形の凹凸)
- リッジウェイソール(線状の凹凸)
- ラグソール(特徴的な凹凸)
ラバーソールの中で天然ゴムを使用したものが「クレープソール」。
ゴムの木の樹液から作れたソールでクッション性の高さや、シルエットからカジュアルシューズとして使用される事が多いソールです。
合成ゴムを使用したものが「合成ゴムソール」。
ラバーソールは全体的に見た目や厚みによってカジュアルなデザインが多いですが、スタイリッシュなデザインに仕上がっています。
合成ゴムソールはラバーソールの中で、紳士靴に使われることが多い素材です。
合成ゴムソールは見た目もレザーソールに近く、ラバーソールの紳士靴と言えば「合成ゴムソール」と言っても過言ではありません。
同じ素材を使っていてもラバーソールの溝の形状の違いでも分類されます。
「スタンデッドソール」は設置面に円形の凹凸が特徴的なソール。
イギリスのハルボロ・ラバー社が製造する「ダイナイトソール」が有名です。
「ダイナイトソール」の方が知名度が高いよね!
線状の凹凸が施されたソールは「リッジウェイソール」と呼ばれています。
くねくねと曲がった凹凸のおかげで様々な角度で力を入れても高いグリップ力を発揮することができます。
特徴的な形状をしているが「ラグソール」です。
ラグソールは元々アウトドアや、軍人用の軍靴に使用されていました。
ラグソールは様々な種類がありますが、中でも「コマンドソール」が有名です。
紳士靴でラバーソールを購入する場合は「合成ゴムソール」がおすすめだよ!
ラバーソールのメリット
ラバーソールのメリットは次の3つです。
- 耐水性に優れている
- グリップ力が高い
- 摩耗しづらい
ラバーソールはレザーソールと異なり、雨の中での使用に適しています。
濡れた路面を歩いても水が染みてくる事はなく、グリップ力も高いので濡れた路面を歩いていても滑りにくく安心して歩く事ができます。
天候に左右されず使用することができるので、紳士靴で人気のある1つの要因かもしれませんね!
ラバーソールによってはソールが厚く、クッション性にも優れているので着地した時に柔らかさがあります。
この柔らかさに魅了されてラバーソールが好きという意見もよく目にします。
また、耐摩耗性に優れていてすり減りにくく安価なので靴の価格が抑えられているのも嬉しいポイントです。
レザーソールのように手入れをする必要がないから、管理するのが楽なのも嬉しいよね!
ラバーソールのデメリット
ラバーソールのデメリットは次の3つが挙げられます。
- 蒸れやすい
- 熱に弱い
- 重い
ラバーソールは水の侵入を完全にシャットアウトする事ができますが、反対に靴内部の湿気や空気が内側から外に抜ける事ができません。
気密性が高いので通気性が悪く水濡れに強い反面、湿気がこもってしまうというデメリットになります。
長い時間履いてると足が蒸れてきちゃうよ・・・。
長時間履く場合はラバーソールよりもレザーソールの方が適しているといえます。
ラバーソールはゴムで出来ているので熱に弱く、熱くなったアスファルトの上を歩いていると溶けてきてしまう事も。
すぐに履けなくなってしまうという事はありませんが、消耗しやすくなってしまうので注意が必要です。
またラバーソールはレザーソールと比べて厚みがあるものが多く、重くなってしまうのもデメリットです。
アウトドアシューズなんかはアウトソールが厚い物が多いです。
厚みがある分カジュアルな雰囲気が出てしまうので、ビジネスシーンでは使いづらく使えるシーンが限られます。
- コスパを重視
- 過酷な環境でも使える物
- 雨の日にも使いたい
スポンジソール
『スポンジソール』は非常にクッション性に優れたソールです。
歩き心地はとても柔らかい、足への負担を和らげてくれるので長時間履いていても疲れにくいのが特徴です。
ブーツやサンダル、スニーカーなどに使われる事が多い素材です。
レッドウィングのブーツに採用されている事で有名です!
紳士靴の靴底として使用される事はほとんどありません。
ラバーソールよりも軽くて、レザーソールよりもグリップ力があるのでちょうど二つのソールのいいとこ取りをしたような素材です。
スポンジソールは主に次の2種類が使用されています。
- EVAスポンジ
- ポリウレタンスポンジ
「EVAスポンジ」の特徴はクッション性の高さと軽さです。
ただ、摩耗しやすい素材なので地面に直接触れるアウトソールとしてではなく、ミッドソールとして使用されます。
基本的にアウトソールとして使用されるのは「ポリウレタンスポンジ」です。
EVAスポンジには劣りますが高いクッション性と摩耗しづらさから、スポンジソールの定番の素材として使われています。
また、安価な素材なので靴の価格が抑えられているのも嬉しいポイントです!
スポンジソールのデメリットは消耗の激しさと、寿命の短さです。
靴を酷使していなくても加水分解による劣化で表面がべた付いてきて、最終的にはソールが剥がれてしまいます。
紫外線や空気に含まれる水分などがソールの表面に吸着する事で起こる現象の事です。
3年程で症状が出始めると言われています。
スニーカーなんかはソールの修理が難しいから、対策している人も多いよね。
スポンジソールは製法によっては修理や交換が難しい場合があるので、購入する場合は修理の可否を考慮した上で購入するようにしましょう。
- 軽い靴が欲しい
- 長期間履く
- 疲れない靴が欲しい
まとめ 紳士靴は「レザーソール」か「合成ゴムソール」がおすすめ
今回は靴底に使われるアウトソールについて解説させて頂きました。
ソール選びに迷ったら「レザーソール」か「合成ゴムソール」を選んでおけば間違いありません。
高級感を求めるならレザーソール、雨でも使えて手入れが面倒な方は合成ゴムソールがおすすめです。
今回は定番のソールのみ紹介させていただきましたが、他にも様々な素材を使用したソールが各メーカーから展開されています。
靴を購入する時にソールまで意識して選ぶ事ができればより靴選びの際に、自分に合った靴が選べるようになるので参考にしてみて下さい。
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