コードバンの革靴の手入れ方法!かっさ棒(レザースティック)の使い方とは?
- かっさ棒でコードバンの手入れってできるの?
- どんな風に手入れを行えばいいの?
- 気をつけるポイントを教えて
かっさ棒(レザースティック)と言えば最も気になるのが「コードバンの手入れ方法」だと思います。
コードバンは履いているうちに表面部分がくすんできてしまい徐々に艶が失われてきてしまいます。
自分も初めてコードバンの靴を磨いた時にくすみの原因が分からず、四苦八苦していました。
今回のブログではかっさ棒を使用したコードバンの手入れ方法を紹介します。
- コードバンがくすんでしまう原因
- かっさ棒を使ったコードバンの手入れ方法
- 手入れする時の注意点
コードバンは普段履いているスムースレザーとは異なる特徴があるので手入れが難しいとされていますが、ポイントを押さえて手入れを行う事で誰でも艶を出す事が出来ますので一緒にチャレンジしてみましょう。
コードバンとは?くすんでしまう理由
そもそもコードバンってどんな革なの?
コードバンとは馬のお尻の革の事です。
コードバン(cordovan)は、農耕用馬の臀部から採れる皮革。主に革靴や鞄、財布などに使用され、昨今では小物用素材としても普及している。臀部以外の比較的柔らかい部分は靴の内革に多く使用される。
出典 wikipedia
お尻の革の内側の「コードバンの層」と呼ばれる2mmほどの部分を使用します。
私たちが普段履いている革靴は床面と銀面が2層になっていていますが、コードバンは床面のみです。
- 非常にきめが細かい
- シワが入りづらい
- 牛革と比べて強度が高い
取り出した革を「グレーシング」と呼ばれる方法で革に圧力をかけ、繊維を寝かせる事でコードバン特有の艶を出すことができます。
希少性と独特の艶から「革のダイヤモンド」と呼ばれていています。
きちんと手入れをすると濡れているような艶を出す事から、「濡れコードバン」と言われる事もあります。
ただ、履き込んでいく内に靴の表面部分が白くくすむ事があります。
この原因はグレーシングで寝かせていた繊維が起き上がってしまった為です。
また、通常の革よりも水濡れに弱くシミになりやすい特徴があり、一度シミがついてしまうと対処するのが非常に難しいのでより注意を払う必要があります。
独特の艶と、手入れの難しさからコードバンは上級者向けの靴と言われています。
かっさ棒を使った手入れ方法
次にかっさ棒を使った手入れ方法を紹介します。
- シュプリームクリーム
- かっさ棒
- 豚毛ブラシ
② かっさ棒
コードバンの毛羽立ちを押さえる為に使用します。
アビィレザースティックという道具の代用品です。本家は高すぎで購入できないので同じ水牛の角で出来ているかっさ棒を使います。
かっさ棒でなくてもある程度の固さと靴の表面に傷をつけないものなら何でも代用可能です。
かっさ棒はコードバンの毛羽立ちを押さえる以外にも、レザーソールのケアをした後に革の繊維を引き締めてて傷が付きづらくするなどいぶし銀の働きをしてくれます。お持ちでない方はこの機会に購入してみてはいかがでしょうか?
③ 豚毛ブラシ
手入れをするコードバンと同じ色のブラシを用意します。
Y’s Shoeshineの杉村さんの動画を参考にしています。とても詳しく解説されていますので気になった方はチェックしてみて下さい。
コードバンの手入れ
かっさ棒を使用したコードバンの手入れ方法について紹介します。
① デリケートクリームを塗る
馬毛ブラシとクリーナーまでの工程は省略させて頂きます。詳しい方法につきましてはこちらのブログをご覧下さい。
デリケートクリームを毛羽立った(くもっている)部分に塗り込んでいきます。この時のポイントが2つあります。
- デリケートクリームをつけ過ぎない事
- シワの向きに合わせてクリームを塗り込む事
デリケートクリームをのせすぎるとシミになってしまう場合がありますので注意が必要です。
② かっさ棒で擦る
デリケートクリームが塗り終わりましたら次はかっさ棒でくもった部分を擦っていきます。
最初はかっさ棒の細い方を押し当てて表面をならしていきます。
力の入れすぎには注意してください。目的は毛羽立ちを寝かせる事です。
かっさ棒で擦る時には必ずシューキーパーを入れましょう!
かっさ棒とシューキーパーで挟み込んで圧をかけて起きてしまった繊維を寝かせていくので入れていないと効果が薄くなってしまいます。普段はバネ式のシューキーパーをおすすめしていますがこの作業の時は足の形をしたシューキーパーがおすすめです。
最初は甲からつま先に向かって縦方向でかっさ棒を押し当てていきます。少し艶が出てきたと感じたら今度は履きジワに沿って横方向にかっさ棒を押し当てましょう。
細い部分で全体を擦ったら次は大きい方の面を使用して縦方向→横方向と擦っていきます。
③ 豚毛ブラシでブラッシング
艶が戻りましたら最後は豚毛のブラシでブラッシングをしていきましょう。
ここでの注意点が普段の豚毛ブラシのブラッシングのように力を入れて行わない事です。
普段通り力強くブラッシングを行うとせっかく寝かせた繊維が起き上がってしまうのでここではクリームの成分を革に浸透させるよりは表面を整えるくらいの感覚で優しくブラッシングをしましょう。
この点に関しては意見が分かれるので「こっちが正解!」という明確な答えはなく、艶が戻れば成功です。自分の感覚としては
- 豚毛ブラシの方が早く艶が出る
- 馬毛ブラシの方が時間がかかるが傷をつける心配がない
という感じです。ご自身に合った方法でチャレンジしてみて下さい。
まとめ
- かっさ棒を使ってコードバンの毛羽立ちを寝かせる
- 必ずシューキーパー(足型)を入れる
- 豚毛ブラシは優しくブラッシング
かっさ棒を使用したコードバンの毛羽立ちの手入れ方法について紹介させて頂きました。根気のいる作業ですが、手順さえ守れば誰でも艶を出す事ができます。
1つ1つ作業を確認しながらチャレンジしてみて下さい。
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