
靴磨き初心者でも大丈夫!靴クリームの特徴と使い方を分かりやすく解説


靴クリームって使うときに気を付けることはあるの?
革靴の手入れと聞いて「靴クリーム」を想像する人が多いのではないでしょうか?
「靴クリームは塗っておけばOK!」と考えている方も多いでが、特徴を理解せず使うとクリームの性能を発揮できず、かえって靴トラブルの原因になることも…。
本記事では、靴クリームの特徴や使い方について詳しく解説していきます。

画像付きで初心者の方にも分かりやすいように解説します!
これから靴磨きにチャレンジしたい・靴クリームについて詳しく知りたいという方は是非、最後までお付き合いください。
- 靴クリームとは?
靴クリームとは?革靴に栄養と潤いを補給する必須アイテム

靴クリームは、革靴に栄養と潤いを補給する靴磨きの道具の中でもダントツで重要度の高いアイテム。
人間の肌と同じく、放っておくと乾燥して表面が荒れたり、固くなったりします。
革が固くなると屈曲しづらくなるので履き心地が悪くなるだけでなく、ひび割れやシミなど靴トラブルに繋がりやすくなります。

最悪の場合、履けなくなってしまうことも!
革靴をべすとコンディションで履き続けるためにも、靴クリームを使ったお手入れは必須になります。
もう少し、靴クリームを使う目的を細かく見ていきましょう!
- 栄養補給
- 艶出し
- 補色
栄養補給
革靴は主に次のような素材で作られています。
- 牛・馬
- 爬虫類
- 合皮
動物の革を使用した靴は履き込んでいく内に『水分』と『油分』が抜けるため、革のしなやかさが失われてしまいます。
人間の肌と同じで、コンディションの悪い状態の革は様々な肌トラブルにつながることに…。

最悪、履けなくなるかも!
そうしたトラブルを防ぐためにも、靴クリームを使った定期的な栄養補給が必要になります。
艶出し
靴クリームを塗ると、革靴の表面に綺麗な艶を出せます。
靴クリームには、艶を出すための蝋分が含まれている商品が多いため、塗るだけで高級感のある光沢が!
特に紳士靴は見た目の良さが重視されるので、靴クリームで手入れしておくだけで、ワンランク上の仕上がりになります。

靴クリームを塗らない理由がありませんね♪
補色
革靴と同系色のクリームを使えば、色が剥げた部分を補色できます。
靴を履いているとぶつけてしまったり、擦れてしまったりして表面に色落ちや傷になってしまいます。

一か所だけ色が薄いと目立っちゃうんですよね!
色が薄くなった部分に同系色のクリームを塗ってあげると、その部分に色が入り、色落ちが目立たなくなります。
他にもクリームの色が徐々に革に浸透し、塗り込んでいくことで自分好みの風合いに育てることも!
使う靴クリームの色によって楽しめるのも靴クリームの魅力の1つですね。
靴クリームの使い方|『油性』と『乳化性』って何?

靴クリームは大きく分けて『乳化性クリーム』と『油性クリーム』の2種類に分けられます。
2つのクリームの違いは『水分を含んでいるかどうか?』という点です。
水分を含んでいるかどうかで靴クリームの特徴がどのように変わるのか簡単にまとめてみました。
特徴 | どんな人向け? | |
乳化性クリーム | クリームの伸びがいい 価格が安い | 初心者向け |
油性クリーム | 強い艶が出る | 中~上級者向け |
乳化性クリームは、水分を含んでいるので油性クリームと比べると伸びが良く、塗り広げやすいのが特徴。
クリームの伸びがいいと全体に塗り広げるのが簡単で、塗りムラになりにくく失敗しづらいので初心者の方におすすめのクリームです。

『扱いやすい』と表現される事もあるよ!
一方の油性クリームは水分を含まない分、乳化性クリームよりも「油脂」や「蝋分」の配合量が多くなるのでより強い艶を出す事ができます。
簡単に強い艶が出せるのでワックスを使わずに油性クリームだけでも十分という方もいます。
水分が含まれていない分、伸びが悪く乳化性のクリームと比べると扱いが難しいので中~上級者向けのクリームとされています。
- 乳化性クリーム ・・・伸びが良く使いやすい初心者向けクリーム
- 油性クリーム ・・・強い艶が出る中~上級者向けクリーム
簡単3STEP|靴クリームの使い方
靴クリームの具体的な使い方を画像付きで解説します。
靴クリームを塗る前に革靴の汚れを落とす

靴クリームを塗る前に、靴の表面に付着した汚れを馬毛ブラシやクリーナーでしっかり落としましょう。
- 汚れ落とし(馬毛ブラシ・クリーナー)
- 靴クリームで栄養補給
- 余分なクリームを落とす(豚毛ブラシ・布)
- ワックスで仕上げる

靴クリームを使うのはSTEP2です!
靴の表面に古い靴クリームやワックスが残っていると、新しいクリームの成分が浸透する邪魔をしてしまいます。
下準備で革靴の表面をすっぴんに戻してあげましょう。

靴クリームを少量ずつ塗ろう
靴クリームは一度にたくさん取って塗り広げるのではなく、少量ずつ取って塗りましょう。
1回に指先に取る靴クリームの量は、コーヒー豆1粒分でOK♪

大量にのせると塗り広げている間にクリームが固まったり、一部分だけ浸透してシミになったり様々なデメリットが挙げられます。
靴クリームを大量に使っても使いきれずに拭き取る事になるので、無駄遣いになってしまいます。
足りなくなったらその都度補充するようにしましょう。
塗りこんでいくうちに少しづつ指先の滑りが悪くなるので、それが補充の合図になります。

靴クリームを塗っていくと、表面に車をワックスがけした時のような白い膜がでてきます。
これは栄養分が浸透して、靴の表面に蝋分が残った証拠!この状態を革靴全体で覆うことができれば靴クリームはOKです♪

全体に薄く塗り広げるのがポイントです♪
豚毛ブラシと布を使って余分な靴クリームを落とす


靴クリームを全体に塗り終わったら、靴の表面に残ったクリームをふき取ります。
具体的な順番は次の通り。
- 豚毛ブラシでブラッシング
- 布で乾拭き
豚毛ブラシでブラッシングすることで、クリームを革の奥に浸透させつつ、余分なクリームを弾き落とせます。その後、表面に残ったクリームを布でふき取れば完璧です。

靴の表面のべたつきが無くなればOKだよ♪
靴クリームとデリケートクリームは使い方が同じ?コンディションが悪い靴に使おう!
油性クリームと乳化性クリームを紹介しましたが、他にも靴の手入れで「デリケートクリーム」がよく使われます。

『デリケートクリーム』は、靴クリームよりも「油脂」や「蝋分」が少ない代わりに「水分」が豊富に含まれています。

潤いの補給に特化したクリームだよ!
油分が少ないため、シミになどの靴トラブルが起こりにくいため、長期間手入れしていない革靴や、雨に濡れた後の革靴の手入れの際に使用しましょう。
また、靴クリームよりも艶が出づらいので、あまり光沢を出したくない人にもおすすめです。

靴クリームと併用するのもありですね!
靴クリームを塗る前にデリケートクリームを塗っておく事で、より靴の状態を良くする事ができます。
デリケートクリームの使い方や特徴についてはこちらのブログで詳しく紹介しておりますので併せてご覧ください。

靴クリームの『染料ベース』と『顔料ベース』とは?

『乳化性クリーム』と『油性クリーム』の違いについて解説させて頂きましたが、靴クリームはもう1つ押さえておきたい違いがあります。
それは『染料ベース』と『顔料ベース』の違いです。
『染料』と『顔料』は物に色を着色する為の物質の事で身近なものだと衣類を染めたりプリンターに使用されています。

食料品の着色にも使用されています!
『染料』と『顔料』の大きな違いは粒子が革の表面に残るか浸透するかどうかという点です。


「顔料」の粒子は大きいので革の表面に色の粒子が残り、クリームの色を革の表面に綺麗に表現できます。
「染料」は粒子が小さく、革の繊維に染み込んで着色します。革本来の表情を残しつつ、使い続けていく事でクリームの色に染められます。
色が薄い部分の補色をしたい場合は『顔料ベース』、クリームを使い続けて経年変化を楽しみたいのなら『染料ベース』の靴を使うようにしましょう!
ただし、靴クリームが『顔料ベース』、『染料ベース』のどちらなのかは商品のラベル等に記載されていません。

紹介されているページや企業のHP等でチェックしましょう!
Amazon等の商品説明で記載されている事もあるよ!
『染料』と『顔料』の違いについてはこちらのブログも併せてチェックしてみて下さい。

靴クリームはどんなタイミングで使う?


靴クリームの特徴は分かったけど、靴クリームはどんな手入れの時に使えばいいの?
靴クリームを使った手入れは次の2つが挙げられます。
- プレメンテナンス
- フルメンテナンス
プレメンテナンス
『プレメンテナンス(プレメンテ)』は靴を購入してから履き下ろす前に行う手入れの事。
新品で購入した靴は手入れをする必要がないと思われがちです。
しかし、靴が定期的に手入れされていたのか、全く手入れされずに長期間保管されていたのか判断するのは難しいです。

履き下ろしたら靴が乾燥していてひび割れちゃったって事もあるみたいだよ・・・。
靴トラブルを未然に防ぐ為にも『プレメンテナンス』は大切な作業で、栄養補給を行う為に靴クリームを使用します。
フルメンテナンス
『フルメンテナンス』は、汚れ落としからワックスを使った磨きまでを行う手入れの事。

靴磨きで皆様がイメージする手入れがフルメンテナンスだと思います。
フルメンテナンスの時に靴クリームを使って栄養補給を行い、革靴を最高の状態で履けます。
> 【靴磨き】初心者必見!革靴の手入れに必要な道具&やり方を徹底解説!

靴クリームは毎日塗った方がいいんじゃないの?
靴クリームは1度塗れば効果がしばらく持続するので、頻繁に塗る必要はありません。
履き終わった後は馬毛ブラシでブラッシングをしたり、泥汚れなど目立つ汚れがあったら固く絞った布で汚れを拭きとるだけでOKです。
使用頻度にもよりますが、靴クリームを毎日~毎週塗るのはちょっと多すぎます。
靴クリームは汚れ落としをしてから使用するので、毎週手入れをするとそのたびにクリーナーで汚れを落とす事になります。
クリーナーは溶剤を含んでいるものが多いので、使いすぎは革への負担増になります。

極力使いたくないですね。
靴クリームの効果が続いている状態で新たなクリームを塗ると、栄養補給を行うメリットよりもクリーナーによる革への負担増というデメリットの方が大きくなります。

適度に期間を空けるのも重要なんだね!
塗り重ねはNG!古い靴クリームはしっかりと落とそう!

「靴の手入れは靴クリームを塗るだけでOk」と紹介されていますがあまりおすすめはできません。
理由は2つあります。
- 蝋分が蓄積される
- 新しいクリームの浸透を邪魔する
靴クリームには「油性」、「乳化性」に関わらず蝋分が含まれていると紹介させて頂きました。
蝋分は靴の表面に綺麗な艶を出す事ができますが、革の表面の毛穴を埋めてしまうというデメリットがあります。

革の通気性の確保の点からも好ましいものではありません。
クリーナーで毎回落としていれば問題ないのですが、塗り重ねていくと蝋分の層が厚くなり革に取ってはより通気性の悪い環境になってしまいます。
また、古いクリームを落とさないと前回塗ったクリームが新しく塗ったクリームの成分の浸透を邪魔する事になります。

化粧を落とさないでまたお化粧を上から重ねるようなものだもんね。
何も手入れをしないよりは靴クリームを塗り続けた方が革には良いのかもしれません。
しかし革の為にも新しく塗ったクリームの性能をちゃんと発揮させるためにも、クリーナーを使ってしっかりと前回の汚れを落とすようにしましょう。
FAQ|靴クリームの使い方に関するよくある質問
靴クリームの使い方に関するよくある質問をまとめました。
靴クリームを使うとどのような効果がありますか?
靴クリームは革靴に栄養と潤いを与える効果があります。
また、蝋分が含まれているので「艶出し」、同系色の靴クリームを使えば「補色」の効果も期待できます。
靴クリームを浸透させる時間はどのくらい必要ですか?
浸透させる時間はそこまで気にしなくてもOK。
靴クリームは塗っている最中にどんどん革に浸透していきます。塗った後にブラッシング→布で乾拭きの手順で行っていけば、その間に十分浸透してくれます。
靴クリームはどのタイミングで使えばいいですか?
靴クリームを使うタイミングは月に1回のフルメンテナンスの時で十分です。
塗る前に馬毛ブラシやクリーナーで、汚れ・古い靴クリームやワックスを落としてから塗るようにしましょう!
靴クリームはどのくらいの量を塗ればよいですか?
1度に塗る靴クリームはコーヒー豆1粒分で十分です。
指先のクリームの量が少なくなってくると滑りが悪くなるので、そのタイミングで補充してください。
靴全体に薄く塗り広げたらOKです。
まとめ
今回は靴クリームについて紹介させて頂きました。
靴クリームは様々なメーカーから販売されているのでどのクリームを選べばいいのか迷ってしまいますね。

ですが、クリームの特徴を理解して自分の求める仕上がりを理解すればある程度絞る事ができます。
靴クリームは常に新しい商品が販売されています。
今後もおすすめの靴クリームが販売されたら随時紹介させて頂きますのでチェックしてみて下さい。
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