- シューキーパーって必要なの?
- 入れっぱなしで保管しても大丈夫?
- 色々な商品があるけどどれがいいのか分からない・・・
「シューキーパー」という道具はご存じでしょうか?
足の形をした木型の事で、靴を履いていない時に靴の中に入れておくもので一度は目にした事があるという方も多いのではないでしょうか?

シューツリーって呼ばれる事もあるよね!
靴好きの方なら必須の道具のシューキーパーですが、靴にあまり興味がない方からすると次のようなコメントを見かけます。
- 使う理由が分からない
- 靴ごとに揃える必要があって面倒
- 価格も高いので購入しなくてもいいのでは?

私も靴磨きを始めた当初はシューキーパーを所有していませんでした。
しかし、靴の変形が激しく「靴を長持ちさせる為には購入した方がいい」と必要性を感じ、途中から導入するようになりました。
今回は「シューキーパー」について解説していきます。
- シューキーパーの必要性
- シューキーパーの使い方・注意点
- シューキーパーの選び方
結論から申し上げると靴を良いコンディションで保つために、シューキーパーは必要不可欠なアイテムです。
おすすめのシューキーパーや、選ぶ時のポイントについても図解を交えながら分かりやすく解説します。
是非、最後までご覧ください。
シューキーパーとは? 必要?それとも不要?


よく「シューキーパーはいらない」って聞くけど本当なの?
シューキーパーは不要という意見をよく目にしますが、革靴にシューキーパーは必須だと言えます。
革靴にシューキーパーが必要な理由は主に次の2つ。
- 型崩れに繋がる
- 靴の履き心地が悪くなる
革は水分が抜けると固くなり、柔軟性が失われてしまいます。
人の足は1日にペットボトル1本分の汗をかくといわれており、革靴は足から放出された汗を吸収しています。
水分を含んだ革靴は柔らかくなるので型崩れしやすくなり、水分が抜けるとその状態のまま固まってしまいます。

型崩れしたまま固まっちゃうと履き心地が悪くなっちゃうね!
シューツリーを入れておくと靴を脱いだ後も足の形をキレイに維持する事ができるので、型崩れを防ぐ事ができます。

スニーカーに慣れているとイメージしづらいですが、革ならではの注意しなければいけないポイントです!
スニーカーに使われる事が多いメッシュやキャンバスはあまり気になりませんが、革を使った靴の場合は履き心地に直結してしまいます。
シューツリーを入れてなくてもすぐに型崩れがおきてしまう事はないですが、徐々に型崩れが進行していってしまうのでそうした事を防ぐ為にもシューツリーを入れておく必要があります。
シューキーパー(シューツリー)を使うべき2つの理由

シューキーパーを使う目的は2つあります。
- 型崩れ防止
- 履きジワを伸ばす
- 消臭・除菌・調湿効果
履いた後の靴をそのままにしておくのはNGです。
時間が経つと革靴に浸透した汗が抜けていくと革が収縮して固くなります。
履きジワなどシワの入っている部分の革が収縮してしまうと、つま先が上を向いた形になってしまいます。


こうなっちゃうと見た目だけじゃなくて履き心地が悪くなっちゃうよ。
同じ理由で脱いだ状態のままにしておくと、革が固くなり履き心地の悪い靴になってしまします。
そうなる事を防ぐために靴を履いていない間はシューキーパーを靴に入れておく事で、常に靴にテンションがかかり綺麗な状態をキープする事が出来るようになります。


靴を購入したら1足につき1つシューキーパーを用意するのがおすすめです。
木製のシューキーパーなら靴内部の湿気を吸い取ってくれます。
多少値段は高くなりますが、予算に余裕があればプラスチックの物よりも木製の物を購入される事をおすすめします。
素材や形状、様々なタイプのものが販売されており自分の靴に合ったシューキーパーを選ぶようにしましょう!
シューキーパーの使い方

次にシューキーパーを使う時に注意するべき事について紹介していきます。
- 装着時の注意点
- 1晩置く
順番に解説していきます。
シューキーパーを装着する時の注意点
シューキーパーを装着する時の注意点は2つあります。
- シュータンを巻き込まない事
- かかと部分を巻き込まない事
装着する際にシュータン(靴ベロ)や、かかとの部分を巻き込まないように注意しながら入れるように気をつけて下さい。

サイズが合っていないシューキーパーを無理やり入れようとしてしまうと、かかと部分の芯材を変形させる可能性があります。

しっかりと靴のサイズに合ったシューキーパーを用意する事が大前提だよ!
取り出す時にはかかとについている金属部分を、持ち垂直に持ち上げる事で抜き取る事ができます。

1晩置いてから入れる

シューキーパーを使用する時は1晩乾燥させてから入れるようにしましょう。

人の足からは1日でペットボトル1本分の汗をかくと言われています。
木製のシューキーパーなら湿気を吸い取る効果がありますが、履き終わって脱いだ直後の靴の中は熱と湿気が充満しています。
そのような状態の靴にシューキーパーを入れてしまうと、靴内部が空気に触れにくくなり乾燥するスピードが遅くなってしまします。
これらの理由から靴を脱いだらすぐにシューキーパーを入れるのではなく、1晩置いて靴内部の熱と湿気を抜いてから入れるようにしましょう。


プラスチック製のシューキーパーを使用される場合は、特に気をつけましょう。
プラスチック製のシューキーパーは木製のシューキーパーと異なり、湿気を吸い取る効果が全くありません。
なので、脱いだ直後の革靴に使用するのは控えた方がよいでしょう。
しっかりと乾燥させれば革靴なら、プラスチック製のシューキーパーでも充分な働きをしてくれます。

消臭スプレーなんかを使うとより靴の中の水分が増えちゃうから、抗菌効果があっても注意が必要だよ!
シューキーパーの手入れ方法

次に木製のシューキーパーの手入れ方法を2つ紹介していきます。
- 半年に1回の陰干し
- やすりで表面を削る
半年に1回の陰干し

湿気を吸い取る効果がある木製のシューキーパーですが、使い続けているうちに内部に湿気が溜まっていき徐々に吸湿機能が低下すると言われています。
定期的に風通しの良い場所で陰干しする事により、内部の湿気を抜き取って性能を元通りにすることができます。

安としては半年に1回くらいの頻度で行う様にしよう!
直射日光に当てて急激に乾燥させると木が割れてしまう事があるので、乾燥させる場合は陰干しで行う事をおすすめします。

自分は過去に天日干しをして、シューキーパーがひび割れてしまった事がありました・・・。
やすりで表面を軽く削る

購入直後のシューキーパーは木のいい香りがしますが、使い込んでいくうちに少しづつ香りが弱くなっていきます。
単に香りが弱まるだけでなく、抗菌作用も弱まっているので購入当初よりも菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。

簡単にできるメンテナンスが『やすりで靴の表面を削る』事です
表面を軽く削ってあげると新しい面が出てくるので、香り・抗菌作用が復活させる事ができます。
明確な頻度はありませんが、当初よりも香りが弱くなってきたと思ったら行うようにしましょう。

やすりは#120番手のものがおすすめです。
シューキーパーは入れっぱなしでいいの?


シューキーパーは入れたままでいいの?
シューキーパーは入れたままで問題はありません。
そもそも『型崩れを防止する』事が目的なので、履いていない間は常に入れておかなければ意味がありません。
シューキーパーは1足につき1つ用意するとされているのはこの為です。

ただ、靴が乾燥した後は入れる必要はないという意見もあります。
革から水分が抜けるタイミングで型崩れが起きるとされているので、湿気が抜けるまでの1~2日の間だけシューキーパーを入れておくという方もいます。
基本的にはシューキーパーは入れたままにすると覚えておきましょう。
保管する時の注意点として以下の事が挙げられます。
- 靴を脱いだ後にそのままシューキーパーを入れる
- 雨で濡れた靴にそのままシューキーパーを入れる
- 湿気の多い場所で保管する
どれも共通する事ですが、靴が湿気にさらされている状態で保管する事はNGです。
この状態で保管してしまうと菌が繁殖しやすい環境になり、最悪の場合はカビが生えてしまう事も・・・。

こうしたトラブルを防ぐ為にも靴をちゃんと乾燥させてから保管するようにしましょう。
1日靴を履いた後の手入れ方法についてはこちらのブログをご覧ください。
シューキーパーの種類&選び方

次にシューキーパーを選ぶ際のポイントを紹介します。
シューキーパーを選ぶ時のポイントは次の4つです。

順番に解説していきます。
素材

シューキーパーの素材は大きく分けて2種類あります。
- 木製
- プラスチック製
それぞれの特徴をまとめると次の通り。
種類 | 吸湿効果 | 消臭効果 | 抗菌効果 | 価格 | 耐久性 | サイズ調整 | シューツリー のサイズ | Amazon URL |
![]() 木製 | あり | あり | あり | 高い | 高い | 約1~2cm | S,M,Lなど ある程度サイズが 決まっている | 詳細を見る |
![]() プラスチック製 | なし | なし | なし | 安い | 低い | 約6cm | フリーサイズ | 詳細を見る |
木製のシューキーパーの方が吸湿効果が期待できる上、作りがしっかりしている物が多いです。

木製のシューキーパーは次の素材が使われます。
- レッドシダー
- ブナ
- カエデ
- バーチ
- パイン
- ライム
この中で特におすすめしたい素材がレッドシダー。
レッドシダーを使用したシューキーパーは吸湿効果に加えて抗菌作用があり、価格も安いのでおすすめです。
カカトの部分なども靴の形に合わせて湾曲して作られているので、シューキーパーを入れて型崩れが起きる事もありません。

プラスチック製のシューキーパーは吸湿効果は期待できず、耐久面に関しても木製の物には劣りますがコストパフォーマンスが優れています。
また木製はある程度サイズを決めてから購入しバネの収縮で1~2cmほど調整できますが、プラスチック製の場合は10段階のサイズ調整が可能です。

フリーサイズで幅広い靴に使えるのは大きな魅力です!

どちらもメリット・デメリットがありますが、造りもしっかりしていて型崩れも起きにくいので予算に余裕があるなら木製のシューキーパーを購入しましょう。

素材を選ぶ時は次の基準を参考にしてみて下さい!
- 性能重視・・・・木製のシューキーパー
- コスパ重視・・・プラスチック製シューキーパー
他にも竹炭が入った脱臭・除菌に特化したタイプの物もあります。

このタイプは靴にテンションをかける事が出来ないので型崩れを防止する事はできないので注意してください。
木製は未塗装のものを選ぶ

木製のシューキーパーを選ぶ際には塗装やニスでコーティングが施されたものよりも、未塗装のものを選びましょう。

塗装してある方が艶があってカッコいいんだけど・・・
だめなの?
表面がコーティングされているシューキーパーは、木製の特徴である内部の湿気を吸い取る効果が期待できません。
見た目にもこだわりたいのならアリですが、木製を購入するのなら特徴を活かせる未塗装のシューキーパーを選ぶようにしましょう。
形

ネットショッピングで購入できるシューキーパーの形状は主に上の4つです。
- 靴木型
- スプレッド敷
- プラスチック製
- バネ式

最もおすすめなのが①の靴木型です。
順番に一番おすすめできないのが④のバネ式のものになります。
①と②のシューキーパーは似たようなデザインになります。
様々なメーカーから販売されており、S、M、Lの3サイズで販売されている事が多いです。
足の形に合わせて成型されており、カカト部分や足回りの作りがしっかりしているので型崩れを起こす心配もありません。

中央の金属の部分がバネで収縮するので1cm~2cmくらいの誤差なら調整可能です。
つま先部分も2つに割れていてシューキーパーを中に押し込んだ際、外側にもテンションがかかる様に設計されているので靴全体にしっかりとテンションをかける事ができます。

①の靴木型と②のスプレッド式の違いは甲の高さ。
甲が高い①のシューキーパーの方がより甲の部分に沿って靴の形状をキープできます。

奥のシューキーパーの方が甲の部分が高さがあるのでストレートチップ、プレーントゥのように足の甲の部分まで覆うタイプの靴の保管に向いています。

手前の甲の低いタイプのシューキーパーはチャッカブーツやドライビングシューズのように靴ひもを結ばない、履いた時に甲を覆わない靴の保管に最適です。
③のプラスチック製のシューキーパーは①と②のものと比べると作りがチープな印象です。

縦方向にテンションをかける事ができますが、横方向に収縮する事ができません。

カカトに当たる部分も面積が小さいので1点に力が集中してしまい、型崩れに繋がる可能性もあります。
ただ他のシューキーパーと比べると価格が安く最低限の働きはしてくれるので、1足ごとに木製のシューキーパーを揃えるのが難しい方にはおすすめです。

ダイソーなどの100均でも取り扱われていますよ。

スニーカーなんかにはぴったりだから、持っていても困る事は少ないよね!
④がバネタイプのシューキーパーです。
甲の部分だけが木製になっていてバネの力でテンションをかけるのシューキーパーです。

甲の部分を入れてから、反対部分をカカト側に入れてバネをアーチ状にしてテンションをかけていきます。
バネ式の最大の特徴は甲をピンポイントに伸ばす事が出来る点です。

履きジワ部分をピンポイントで伸ばす事ができるので、シワの部分に靴クリームを入れやすくなるなど靴磨きに最適なシューキーパーです。

甲の部分をピンと張るのはバネ式が一番適しているので、靴磨きの時は是非使ってみてね。
ただし、バネ式のシューキーパーを入れたままにするのはNGです。
カカト部分にピンポイントで不可がかかってしまい、最悪の場合は変形してしまう事もあるので保管する時には使わないようにしましょう。

実際に自分もカカト部分が凹んでしまった事があります。
サイズ

シューキーパーを選ぶ際に最も重要な事がサイズ選びです。
靴に対してシューキーパーが小さいと靴にテンションをかける事ができず、大きすぎてしまうと変形させてしまい最悪の場合は靴に入らないという事も考えられます。

シューキーパーのサイズが大き過ぎちゃうと革が伸びすぎちゃう事もあるみたいだよ!
プラスチック製のようにサイズ調整の幅が広ければ問題ありませんが、木製のように1cm程度の調整しかできない場合は気をつけましょう!

メーカーによって造りが違うのでサイズ感が異なる事があります!
購入者の口コミ等を参考にしましょう。
おすすめのシューキーパーは?

上記の点を踏まえておすすめのシューキーパーを紹介させて頂きます。

『保管用』と『靴磨き用』の2種類を紹介させて頂きます
保管用

保管用のシューキーパーは木製の靴木型のものがおすすめです。
- 型崩れ防止に最適
- 造りが頑丈
- 湿気・消臭に効果がある
靴の数や使用頻度にもよりますが、長時間履かない事を想定して使用するものなので縦だけではなく横方向にもテンションをかけられる靴木型が最適です。
また造りがしっかりしており入れたままにしておいても変なクセがつきにくく、型崩れ防止に最も適していると言えます。

未塗装のものを選べば湿気対策にもなるよ!

自分も革靴ごとに様々なショップの物を購入し比較してきましたが、どの商品を選んでも大きな違いはありませんでした。
最近はニトリや無印用品など革靴の専門店以外の店舗でも取り扱われているので、実物を見て判断したい方は店舗に足を運んでみて下さい。

次の4つの条件を満たしている物であればOKです。
- 価格が2,500円前後
- レッドシダー(未塗装)
- 靴木型
- 縦方向・横方向にバネが入っている
靴磨き用

靴磨きの時におすすめしたいシューキーパーは保管用のシューキーパーとは少し異なります。
- 甲の部分をしっかり伸ばせる
- 素材はなんでも〇
最もおすすめしたい商品がコロンブスのスポンジシューキーパーです。
先端部分がスポンジになっているのでどんな靴にもフィットして、全方向にテンションをかける事ができるのでシワが伸びてくれます。

まさに、靴磨きの為のシューキーパーです。
値段が張りますが靴磨き職人の方々も愛用されているアイテムなので、気になった方は是非チェックしてみて下さい。
値段を抑えたい場合はバネ式のシューキーパーがおススメです。
バネの力が非常に強力で甲の履きジワ部分をしっかりと伸ばせるので、靴クリームやクリーナーの成分をシワの奥まで浸透させる事ができます。

保管用のシューキーパーと使い分けたいね!
- 甲の部分をしっかり伸ばせる
- バネ式 or スポンジタイプがおすすめ
まとめ
シューキーパーは木製(レッドシダー)がおすすめ
履き終わった靴は一晩乾燥させてからシューキーパーを入れる
シューキーパーは入れっぱなしでOK
保管用と靴磨き用で使い分けると〇
シューキーパーは革靴を長持ちさせるためには必須のアイテムです。
一度購入してしまえば長く使い続ける事ができるアイテムなので非常にコスパの良い商品です。
まだお持ちでない方は是非、導入してみて下さい。