スペシャルナッパデリケートクリームの使い方!革靴愛好家の私が解説&レビュー
- デリケートクリームってどんな道具?
- 靴クリームと何が違うの?
- サフィールノワールから販売されているデリケートクリームが気になる!
革靴の手入れに使う道具といえば「靴クリーム」が定番です。
ですが革の感想が激しい場合や栄養補給を重点的に行いたい場合には、靴クリームよりも『デリケートクリーム』がおすすめです。
デリケートクリームを使う事でシミ等の靴トラブルを防止しながら、靴の手入れを行う事ができるようになります。
今回はサフィールノワールの『スペシャルナッパデリケートクリーム』を紹介します。
サフィールノワールは革靴愛好家から非常に人気のあるブランドで、『道具選びに迷ったらこのブランドを選んでおけば間違いない』と断言できます。
- デリケートクリームとは?
- スペシャルナッパデリケートクリームの特徴 & 他のクリームとの違い
- 使い方 & 使うタイミング
デリケートクリームは栄養補給に特化したクリーム
デリケートクリームってどんな道具なの?
デリケートクリームは栄養補給に特化したクリームの事です。
靴クリームと比べてみて一番の違いは艶を出す為の『蝋分』が含まれていない点。
蝋分が含まれていないのでマットな仕上がりになるので、艶を出したくない靴やクリームが浸透しやすいヌメ革のような革の手入れにぴったりと言えます。
デリケートクリームは水分量が多いので、靴クリームよりもシミになりにくいとされています。
色が薄く靴クリームを塗るとムラになってしまう靴や、油分が抜けて乾燥している革靴にはまずデリケートクリームを使うのがおすすめ。
油分の浸透を防ぎ、靴トラブルや色の変化を抑える働きがあります。
デリケートクリームの特徴についてはこちらのブログで解説しておりますので、併せてご覧ください。
スペシャルナッパデリケートクリームの成分 & 特徴
『スペシャルナッパデリケートクリーム』は大人気ブランド、「サフィールノワール」から展開されているデリケートクリームです。
> 靴磨き歴6年の私が解説!革靴手入れ用品のおすすめブランド6選
スペシャルナッパデリケートクリームの「ナッパ」とは、アメリカの「NAPA地域」が語源だと考えられます。
NAPA地域で生産される革を「ナッパレザー」と呼び、柔らかさとしなやかさを兼ね備える高級革として取引されています。
そんなナッパレザーの注意点は成分が浸透しやすく、シミになりやすい点。
手入れが大変そう・・・
他にも、ヌメ革やシープスキンなどシミになりやすい繊細な素材にも問題なく使えるのがスペシャルナッパデリケートクリームです。
『蝋分』、『有機溶剤』が含まれていないので、繊細な素材のお手入れにぴったりのクリームです。
カーフ、アニリンカーフ、シープスキン、ヌメ革など、油分・水分がしみになりやすく、汚れやすいデリケートな革に天然の植物性油分による栄養・保湿効果を与え、革を乾燥から守ります。
引用:AVEL
ヒビ割れを防ぎ、皮革本来の美しい風合いを保ちます。
乾燥の進んだ革にうるおいを与えることで、本格ケア前の保湿効果を発揮します。靴クリームやローションの油分の急な浸透によるシミの予防に効果的です。
商品の詳細を見て行きましょう。
商品名 | スペシャルナッパデリケートクリーム |
ブランド | サフィールノワール (アベル社) |
金額 | ¥2,200 + tax |
容量 | 75ml |
主成分 | ホホバ油 小麦プロテイン ミンク油 |
カラー | 無色 |
種類 | 乳化性 |
カラーは無色(ニュートラル)のみ、水分を含む乳化性のクリームなので塗り広げやすく非常に扱いやすいのが特徴です。
蓋を開けてみるとビーズワックス特有の甘い香りが漂ってきます。
好き嫌いはありますが、嫌な臭いではないです!
質感としては靴クリームよりも水っぽさがあるものの、他の水分量の多いデリケートクリームと比べると若干コシがある感じ。
クリームも角が立つくらいのコシがあるね。
主成分は次の3つから構成されています。
- ホホバ油
- 小麦プロテイン
- ミンク油
デリケートクリームには少量の有機溶剤が含まれている事が多いですが、このクリームには一切含まれていません。
溶剤が含まれていると革の負担になるので、使える革が限られてきます。
しかし、スペシャルナッパデリケートクリームには溶剤がふくまれていないので幅広い革の手入れに使用する事ができます。
この中で特に注目したい成分が『ホホバ油』です。
化粧品やスキンケア用品で使われる事もあり、肌を乾燥から守ったり火傷などの治療にも使用され『砂漠からの黄金の液体』と呼ばれています。
そんなすごい成分が使われているんだね!
革を柔らかくする効果があるミンク油も使用されているので、栄養を補給するだけでなく革に柔軟性を与える効果も期待できます。
スペシャルナッパデリケートクリームと他のクリームとの違い
スペシャルナッパデリケートクリームの凄さは分かったけど、イマイチ他の商品との違いが分からないなぁ。
M.モゥブレィのデリケートクリームとの違い
デリケートクリームとして最多の累計販売数を誇り、最も有名なのがM.モゥブレィが販売するデリケートクリームです。
- ラノリン
- 油脂
- 有機溶剤
M.モゥブレィの商品も『ラノリン』と呼ばれる成分が含まれており、潤いの補給を重点的に行いつつ革を柔らかくする働きがあります。
容量も60ml・200ml・500mlと3種類のバリエーションがあり、デリケートクリームとしては珍しく「ニュートラル」と「ブラック」の二色展開。
使用感に関してはこちらの方がより水っぽい感じがあります。
どちらのクリームもデリケートな素材の手入れに使用できますが、溶剤が含まれていないスペシャルナッパデリケートクリームの方がより繊細な素材の手入れに適していると言えます。
ただし、価格はM.モゥブレィの方が半額程度で購入できるのでコスパを重視するならこちらの方がおすすめです。
スペシャルナッパ デリケートクリーム | M.モゥブレィ デリケートクリーム |
より繊細な素材の手入れをしたい方 | コスパを重視したい方 |
クレム1925とレノベータークリームとの違い
同じサフィールノワールから似た様な商品が出てるけど・・・
何が違うの?
同じ様な容器に入っているので迷ってしまう方も多いのが次の3つのクリームです。
- クレム1925
- レノベイタークリーム
- スペシャルナッパデリケートクリーム
それぞれの特徴を簡単にまとめてみると次の通り。
商品名 | 艶 | 柔軟性 | 栄養補給 | 成分 |
クレム1925 | ろう 油脂 有機溶剤 | |||
レノベイター クリーム | 蜜蝋 ミンクオイル ラノリン | |||
スペシャル ナッパDC | ホホバ油 小麦プロテイン ミンク油 |
『クレム1925』は靴クリームとしての位置づけになります。
栄養補給を行いながら同時に艶を出す事ができるので、見た目の美しさも求められる革靴のお手入れにぴったりの商品です。
『レノベイタークリーム』は靴クリームと、デリケートクリームの中間あたりに位置づけられる成分で構成されています。
ミンクオイルやラノリンが成分として使用されているので革を柔らかくする働きがあり、蜜蝋(ビーズワックス)が含まれているので艶出しも行う事ができます。
革を柔らかくしながら艶を出せる!
いいとこ取りのクリームだね!
『クレム1925』も『レノベイタークリーム』も浸透するスピードが油分や蝋分が多めに含まれているので、靴の状態によってはシミになってしまう可能性も考えられます。
乾燥した靴や、新品の靴を購入した場合のお手入れにはスペシャルナッパデリケートクリームでワンクッションおくのがおすすめです。
なので、次のようなイメージでクリームを使い分けるのがおすすめです。
- 普段の手入れ・・・クレム1925
- 多めに栄養を補給したい時・・・レノベイタークリーム
- 状態が悪い靴の手入れ・・・スペシャルナッパデリケートクリーム
スペシャルナッパデリケートクリームはコードバンにも使用可能
スペシャルナッパデリケートクリームについてよく見かける質問が「コードバンに使っても大丈夫なのか?」という意見です。
コードバンは水に弱いって聞くから、水分量の多いデリケートクリームは怖いよね・・・。
結論から言うとコードバンにデリケートクリームを使っても問題ありません。
コードバンが水に弱いというのは事実ですが雨に降られてしまった場合や、手入れの時に大量の水を使ってしまった時の場合の話です。
デリケートクリームは水分量の多いクリームですが、過度に心配する必要はありません。
とはいえつけ過ぎには注意しましょう。
つけ過ぎたりクリームを塗ったまま長時間放置してしまうと、シミなどの靴トラブルに繋がる可能性があります。
手入れの手順と手入れ方法
次にスペシャルナッパデリケートクリームを使った手入れ方法を紹介していきます。
手入れするのはParabootのシャンボードです。
つま先部分が乾燥してカサカサしているので、しっかりと栄養を入れていきたいと思います。
手入れ方法は容器のラベルに記載された方法で手入れを行います。
汚れ落とし
馬毛ブラシやクリーナーを使用して、靴の表面に付着した汚れを払い落とします。
表面に汚れが残ってると、デリケートクリームの浸透の邪魔になっちゃうよ!
スペシャルナッパデリケートクリームを塗る
スペシャルナッパデリケートクリームを靴に塗っていきます。
ポイントは少量ずつ塗っていくこと。一度に大量につけ過ぎてしまうと塗りムラの原因になったりシミの原因になります。
1回に取る量はコーヒー豆1粒分でOKです。
クリームの浸透が素晴らしく、塗りながら革にデリケートクリームが浸透して色が濃くなっているのが分かります。
塗り広げていくうちに指先からクリームが無くなると指の滑りが悪くなるので、そうなったら再度少量のクリームを補充して全体に塗り広げましょう。
全体に塗り終わったら次の工程に進みます。
3分待つ
デリケートクリームを靴全体に塗ったら3分ほど時間を置きましょう。
時間を置く事でデリケートクリームの成分を革の奥まで浸透させる事ができるよ!
デリケートクリームを塗ったまま長時間放置すると、カビの原因に繋がる事もあるのでその点は注意しましょう。
乾拭き
最後に表面に残った余分なデリケートクリームを布を使って拭き取ります。
靴全体を軽く乾拭きしたらお手入れ完了です。
こちらが完成した靴です。
最初の状態と比較すると栄養分が革に浸透して、全体的に色が濃くなっているのが分かります。
蝋分が入っていないのでギラっとした強い光沢は出ていませんが、重厚感のある革本来の艶が出ている感じ。
つま先部分の色落ちしていた部分もカサカサ感がなくなり、色落ちしていた部分も目立たなくなりました。
しっとりとした見た目に仕上がりました。
この後に更に艶を載せたい方はワックスを使った「鏡面磨き」を行う事で、更に綺麗に仕上げる事が出来ます。
その他の使い方
これまでスペシャルナッパデリケートクリームの基本的な使い方について紹介してきました。
ここでは、その他におすすめしたい使い方を紹介しますので参考にしてみて下さい。
靴の内側に塗る
スペシャルナッパデリケートクリームには革を柔らかくする働きがあるので、ライニング(革靴の内張り)に塗るのも有効です。
特に新品の状態の靴は革が固く、足を入れると痛みを感じることがあります。
痛みを感じる靴の内側部分にスペシャルナッパデリケートクリームを塗る事で、革が柔らかくなり痛みを軽減できます。
ポイントは力を入れて押し込むように塗り込む事です。
靴の内側部分に塗ることに抵抗がある方もいると思います。
しかし少量ならべた付く事もなく、蝋分も含まれていないのでツルツル滑って違和感を感じる事はありません。
ただしライニングがレザーの場合に限るよ!
他の素材だと効果がないから注意してね!
クレム1925との組み合わせ
スペシャルナッパデリケートクリームは靴クリームの「クレム1925」と組み合わせると、更に効果を発揮します。
クレム1925は艶出しや使いやすさに定評のある靴クリームですが、栄養補給や革を柔らかくする効果に関しては物足りないという意見もちらほら見かけます。
そんな時にスペシャルナッパデリケートクリームとの組み合わせがおすすめです!
クレム1925だけで手入れを終えても問題ありませんが、その前にスペシャルナッパデリケートクリームを塗っておく事で更に靴を良い状態にできるとの事。
ミンクオイルやホホバオイルを皮革に与えるだけでなく、靴クリーム・クレム1925の持つ効果との相乗効果が発揮され、靴のコンディションを整えます。
出典:BEKKU HOMME
2つのクリームの併用をおすすめしている記事はよく見かけるよね!
以前、手入れをお願いした靴磨き専門店『丸屋』の渡邉さんも「クレムだけで磨いていた靴と、定期的にスペシャルナッパデリケートクリームを入れた靴だと見た目も革の柔らかさも全く違う」とおっしゃっていました。
「スペシャルナッパデリケートクリームだけ」または「靴クリームだけ」で手入れを完結させても充分ですが、2つを組み合わせることでより素晴らしい手入れを行う事ができます。
靴クリームを塗る前にデリケートクリームを塗ればOKです。
是非、チャレンジしてみて下さい!
まとめ スペシャルナッパデリケートクリームは万能クリーム
今回はサフィールノワールのスペシャルナッパデリケートクリームについて紹介しました。
靴クリームだけあれば手入れを行う事ができるので、必須のクリームという訳ではありませんが持っていて損はする事はないと断言できるクリームです。
革靴の他にも様々なレザーアイテムに流用するできるので、レザーグッズをたくさん持っているという方にはおすすめしたい商品です。
状態が悪く靴のお手入れも問題なく出来るようになるので、手入れ出来る範囲がグッと広がります!
気になった方はチェックしてみて下さい。
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