
革靴の皺入れ(シワ入れ)は不要?失敗しない3つの秘訣を徹底解説

「皺(シワ)入れ」という言葉を聞いたことがありませんか?革靴にこだわっている方は歩いた時にできる「履きジワ」のシワの入り方にまで注意を払います。
でも「実際にはどんな事をしているのか?」、「何に気をつければいいのか?」全くイメージがわきませんよね?

自分も初めてシワ入れの作業を知った時は、何のために行っているのかが全く分かりませんでした。
ですが、シワ入れと呼ばれている通り革靴好きの方なら必ず行うべき作業の1つだと断言できます。
本記事では、シワ入れを行うメリットと注意点、シワ入れのやり方について解説します。
「シワ入れ」は靴を購入後、最初に1回だけ行うだけの非常に簡単な作業です。シワ入れを行っておくだけで革靴の見た目がグッと良くなり、靴好きの方から「この人分かっているな」と一目置かれる様になります。

みんながついつい手を抜いちゃう部分だからこそ、頑張りたいよね!
画像付きで分かりやすく解説しますので最後までご覧ください。
『シワ入れ』 とは?

『シワ入れ』とは、自分の狙った位置に履きジワを作るテクニックのこと。
新品の靴に足を通すとき、細い棒などを当ててかかとを持ち上げることで、狙った位置に履きジワを作れます。
高級紳士靴を取り扱う店舗では、新品の靴を購入した時にお手伝いしてくれるところが多いです。

そもそもなんで『シワ入れ』を行う必要があるの?
履きジワは歩行時に靴が足の形に合わせて曲がるので、必ず入ってしまい避けては通れません。

履きジワは甲の目立つ部分に入ってしまう為『革靴の表情の1つ』と言っても過言ではありません !
ただ、何も考えずに履きジワを入れてしまうと、自分が思っている通りの履きジワを入れる事ができません。それどころか、次のような事も珍しくありません。
- 左足は水平にシワが入ったけど、右足は斜めに入ってしまった
- 左右でシワの数が違う
- 片足だけ変な場所にシワが入ってしまった
この様な事になってしまうのには、次のような原因が考えられます。
- 足の大きさが左右で違う
- 歩き方の癖
- 革の状態

こうしたちょっとした事でもシワの入り方に影響があるんだね。
『履きジワ』は、一度入ってしまうと直すことができません。
理想通りの履きジワを自然に入れるのが難しいので、少し手を加えて自分の狙い通りのシワを入れるサポートをしてあげましょう。

SNSでは『シワ入れの儀』と呼ばれてます。
『シワ入れ』をする目的
シワ入れを行う目的は、主に2つの理由が挙げられます。
左右対称にシワを入れる
シワ入れを行う一番の目的が、左右対称に綺麗な履きジワを入れることです。

シワ入れをした、靴とシワ入れをしなかった靴を比較してみましょう!
- (左) 黒ストレートチップ シワ入れ無し
- (右) 茶セミグローブ シワ入れ有り
写真左側の黒のストレートチップの靴は、購入する前に店内を試しに履いて歩かせて頂いた際に履きジワが入ったものです。

購入した頃は『シワ入れ』を知らなかったので、今となっては非常に後悔しています・・・。
写真右側の茶色のセミグローブの靴は、ネットショップにて購入しました。購入後、靴磨き専門店でプレメンテナンスを依頼して、その際にシワ入れを手伝って頂きました。

見た感じそんなに違和感がないけど・・・ 。そんな違う??
それぞれの違いを比較してみましょう。まずは、黒のストレートチップの靴の履きジワから。
向かって左側は靴は「斜めに入った大きなシワ」と、「水平に入った短いシワ」の2つシワ入っている事が分かると思います。

それぞれ長さも角度も違う・・・
一方で写真右側の靴を見ていきましょう。右側の靴は、「真ん中あたりに横に伸びたシワ」が1つだけ入っています。
大きなシワも1つだけで水平に入っており、比較的に綺麗なシワですが、2つ靴を並べてみると左右のシワの入り方が非対称でバランスが悪いと感じます。

シワの入り方もシンメトリーになっている方が美しく見えます。
片足のシワが綺麗に入っていても、もう片方のシワの入り方が悪いとそれだけでバランスが悪く映ってしまいますね。次に茶色のセミグローブの状態を見ていきましょう。
こちらの靴はシワ入れを行った靴です。
靴は左側・右側の靴共に「中央部分に水平なシワ」が入っていて、比べてみても両足で大きな違いが無いのが分かりますね。他の部分にも大きなシワが入っておらず、綺麗なシワの入り方をしていると思います。

黒のストレートチップと比べてみても、左右のバランスが良く美しく見えますね!

『シワ入れ』をした靴と、していない靴だと大きな差があるのが分かるね!
このように「履き下ろすタイミングでちょっとだけ手を加えるだけ」で、こんなにも見た目で差ができてしまいます。
特に革靴はきちんと手入れを行えば10年以上履き続ける事ができる物なので、見た目を大きく左右するシワ入れは非常に重要な作業だと思います。
履き心地の向上
履き心地の向上と言うと大袈裟かもしれませんが、変な位置に履きジワが入ってしまうと歩く度にシワが足に当たってしまい、違和感を感じる事があります。

中古で購入した靴や、新品でも履きジワが入っている靴を購入する時には注意が必要です。
以前の持ち主や、試着された方がつけた履きジワが入ってしまっている靴は、「その人の足に合った履きジワ」が入ってしまっています。なので、より履いた時の違和感を感じるかもしれません。
中古靴を購入する際には、革の状態だけではなく、実際に履いてみて「シワの入り方」や、「歩いてみて違和感がないか?」という点も入念にチェックする事をおすすめします。
繰り返しになりますが、シワは一度入ってしまうと元の状態に戻す事ができません。
シワ入れを行う事で自分で狙った部分に意図的にシワを入れられるので、このようなトラブルを未然に防ぐ事ができ結果として履き心地を損なう事がなくなります。

用心するに越したことはないね!
話が少し逸れますが、靴を試着する時には履きジワをつけないように注意しましょう。自分達が試着をした時に店内を歩いてみたり、踵を上げたりすると新品の靴に履きジワが入ってしまいます。
お店側からすると、新品の靴にシワが入ってしまい、新品として商品を販売する事ができない事もあるそうです。

新品で買った靴なのに誰かが履いた跡があるのは嫌だよね・・・

購入前提の靴や、店員の方に許可を取ってからにしましょう!
シワ入れの注意点

シワ入れを行う前に注意するべき事が3つあります。
『プレメンテナンス』をしてから行う

1つ目は、プレメンテナンスを行ってからシワ入れを行うこと。
プレメンテナンスとは、靴を購入して靴を履き下ろす前に、一番最初に行うメンテナンスです。

「新品の靴は手入れをしなくても大丈夫!」と考えていませんか?
しかし、自分の手元に来る前は、『どんな状態だったのか?』をこちらでは判断する事ができません。
- 手入れされた後に出荷されている
- 展示品として店頭に並んでいた
- 長期間倉庫に保管されていた
- 製造されてからすぐに自分の手元に届いている
などなど、自分が購入した靴の保管状況としてはどれも考えられますね。特に長い間手入れがされておらず、乾燥しきった状態の靴が手元に来る事も・・・。
その状態でプレメンテナンスを行わずにシワ入れを行ってしまうと、狙った部分以外にシワが入ってしまったりそのままクラック(ひび割れ)が入ってしまうかも。

新品の靴がそんな事になっちゃったら笑えない・・・。
靴クリームを塗っておくと革が柔らかくなるので、しっかりとシワが入るようになります。購入した靴はきちんとプレメンテナンスを行い「栄養」と、「潤い」を補給した状態でシワ入れを行うようにしましょう。
プレメンテナンスの方法については、こちらのブログをご覧ください。

靴紐をしっかり結ぶ

2つ目は、しっかりと靴紐を結んだ状態でシワ入れを行うことです。

靴紐を締めずにシワ入れを行うとどうなるの
シワ入れを行う目的は、 『歩行時にできる履きジワの位置を自分の理想の位置』 に入れること。なので、シワ入れを行う場合は、歩行時と同じく靴紐を結んだ状態にしておく必要があります。

すると、靴紐を結んだ状態で履きジワを入れると、別の場所に履きシワが入ってしまう可能性があります。
その流れでシワ入れを行うと、靴紐を通し忘れてしまうことがあるので注意しましょう!
「モンクストラップ」のような靴紐ではなく、「バックル」で留めるタイプのものはしっかりとバックルを留めて、歩行時と同じ状況でシワ入れを行うようにしましょう!

片足ずつ行う

3つ目に注意しなければならないのが、シワ入れは片足ずつ行うということ。
シワ入れは体を前にかがめたり、前後左右に揺さぶったりするので、意外と体を大きく動かします。
横着して靴を両足履いた状態でシワ入れを行うと、知らない間に反対側の足にもシワが入ってしまう可能性が考えられます。
なので、以下の手順で作業を進ましょう!
- 片足に足を入れて靴紐を結ぶ
- シワ入れを行う
- 靴を脱ぐ
- 反対の足を入れて①~③を繰り返す

ちょっとだけ面倒だけど、不意なトラブルを防ぐ為に我慢しよう!
シワ入れを実践!
実際にシワ入れを行ってみましょう。シワ入れの手順は次の通りです。
今回はショーンハイトの『ダブルモンクストラップ』の靴のシワ入れを行います。

今回は『油性マジック』を使用しました。

自分は油性マジックを使用しましたが、以下の条件を満たしていれば基本的になんでも大丈夫です。
- 細長い筒状のもの
- ある程度の固さがあるもの
「線引き」や「万年筆」、「ドライバー」などでも使う事が出来ます。

自分の使いやすいもので作業するようにしよう!
シワを入れる部分を決める
まず最初に足を靴に入れて、シワを入れたい部分を決めましょう。シワ入れに関して自分は次の点に気をつけて行っています。
- シワの角度を揃える
- シワの数を揃える
- シワの位置を揃える
シワの数や角度については履く方の好みや靴のモデル、素材によっても変わるので特に正解はありません。

とにかく左右で対象になるように心がけましょう!
足の指の付け根部分が歩行する時に曲がる部分になるのでそこにシワが入るようにします。
並行~少し傾けるくらいの角度で当てましょう。

足の付け根部分が分からない場合は、シワが付かない程度に踵を持ち上げましょう。
靴が軽く変形するので曲がる部分を目安にすると分かりやすいです
ペンを当てて足を上げる
シワを入れる部分が決まったら、ペンをシワを入れたい部分に当てて、少しずつ踵を持ち上げていきます。
シワを入れる時は一度にシワを入れようとするのではなく、少しずつシワを入れるように意識しましょう!
一回でシワを入れようとすると次のような事が考えられます。
- 予想外のところにシワが入る
- 皺の入り方を確認しながら微調整する事ができない
- 勢いをつけた衝撃でペンの位置がズレてしまう
シワを入れる時は焦らずに以下の事に気をつけてシワを入れていきましょう。
- シワを入れる時は少しずつ踵を上げていき、何回かに分けてシワを入れていく
- 踵を上げてシワが入ったらペンを当てた状態で前後左右に体を動かす
- 最後にペンを外した状態でシワを入れる

焦らずゆっくりとシワを入れてね♪
完成

こちらがシワ入れが完了したものになります。狙った位置にしっかりとシワが入りました。

一度シワを入れてしまえば後はそれっきりなのでおすすめです。
自分も履きジワの事を意識する様になってから、綺麗な履きジワが入っている靴を見ると、思わず目に留まるようになりました。
靴好きな方と話しをする中で 、『シワの入り方に拘っている』人が非常に多いという印象を受けました。履くおろす時に、のちょっとしたひと手間を加えるだけで、簡単に靴の見た目をワンランクアップさせられます。

逆に言えば最初の『シワ入れ』さえ頑張っちゃえば、ずっと見た目のいい靴が履けるって事だね!
履き終わったら必ず 『シューキーパー』

せっかく綺麗なシワを入れても、安心はできません。履いた後に何もせず放置すると、乾燥により履きジワ部分の革が固くなり、深いシワが入ります。

つま先部分が上を向いてしまい 『くの字』 のように曲がってしまいます。
履きジワ部分の革が固くなると次のようなデメリットがあります。
- 履き心地が悪くなる
- 見た目が悪い
- 履きジワ部分がひび割れる
履きジワ部分が『くの字』で固まったまま履くと、歩いた時に甲の部分が伸び辛く歩きづらくなります。自分は普通に歩いているつもりでも、靴の先端が少し上に向いているので、思わぬ場所でつまづいてしまう事も。

つま先が上の方を向いている靴って、見た目もカッコいいとは言えないよね。
それ以上に問題なのが、履きジワ部分に負担がかかる事です。
履きジワは歩行する度に、伸び縮みを繰り返すので、靴の中でも負担が大きい部分です。革が乾燥して固くなっていると、更に負担が大きくなり、「クラック(ひび割れ)」が入りやすくなります。

対策として履き終わった後に『シューキーパー』を入れましょう!
「シューキーパー」とは足の形をした木型の事で、これを自分が靴を履いていない時に靴の中に入れておく事で甲の部分を伸ばす事ができ深いシワが入ってしまうのを防ぐ事ができます。
靴を履き終わった後に簡単なケアをして入れておくようにしましょう。
まとめ|シワ入れの方法を解説
本記事では、シワ入れを行うメリットと注意点、シワ入れのやり方について解説しました。
たかが靴のシワと思われるかもしれませんが、自分が想像している以上に気にされていたり見ている方が多いのが履きジワです。
ちょっとした努力で靴の印象を良くできるならやらない手はないですよね?新しく靴を購入した際にはシワ入れの作業も取り入れてみて下さい。













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