レザーソール(革底)の手入れ方法!必要な道具や手入れの頻度は?
- レザーソール(革底)って手入れが必要って本当?
- どの位の頻度で手入れをすればいいの?
- 手入れ方法を詳しく知りたい!
靴磨きや靴の手入れと言われるとどうしてもアッパー部分にばかりに目がいってしまいソールの手入れを忘れてしまいがちです。実際に手入れを全くしていないという方も大勢いらっしゃいます。
しかし、レザーソールという名前の通り革で作られたソールなのでアッパー部分の革と同様に乾燥するので定期的なケアが必要です。
レザーソールのケアを怠ると「靴底に穴があいてしまった」、「レザーソールにヒビが入ってしまい修理が必要になった」という事になりかねません。
定期的にケアを行う事でレザーソールの状態を最高の状態に保ち乾燥によるトラブルを防ぎ長持ちさせる事に繋がります。
このブログをご覧いただければ以下の内容をご理解頂けます。
- レザーソールの特徴
- 手入れに必要な道具
- レザーソールの手入れ方法・頻度
- おすすめのソールクリーム3選
ラバーソールと違いレザーソールは手入れが必要になるので難しそうに感じたり、面倒に感じる方も多いと思いますが手入れ自体は非常に簡単です。
アッパーだけではなくソールにも気を配って日々のメンテナンスを行っていきましょう!是非、最後までご覧ください。
レザーソールの特徴
まず最初にレザーソールとはどのようなソールなのか見ていきましょう。
レザーソールとは冒頭でも紹介した通り、革で作られたソールの事です。
レザーソールは主に高級紳士靴やビジネスシーンで履く靴に採用される事が多く、よりカジュアルなシーンで履く靴はラバーソールが採用される事が多いです。
ラバーソールには次のようなソールがあります。
- コマンドソール
- ダイナイトソール
- シャークソール
- クレープソール など
どちらの素材にも良い点や悪い点がありますが、高級紳士靴になると見た目の良さや足馴染みの良さからレザーソールが採用される傾向があります。
レザーソールはアッパーのようにしなやかで薄い革ではなく耐久性があり歩行時の摩擦にも耐えられる「タンニンなめし」という加工を施した革を使う事が多いです。
レザーソールのメリット
簡単にレザーソールの良い点と悪い点を紹介します。
- 通気性がよく、足が蒸れない
- 耐熱性に優れている
- 反りが良く、歩きやすい
通気性の良さ
レザーソールの特徴として通気性の良さが挙げられます。
レザーソールは革を使用しているので「毛穴」が存在し、この毛穴から空気が抜ける事でラバーソールよりも蒸れにくく、長時間履くのに適していると言われています。
1日履いた後にレザーソールの場合は壁に立てかけて1晩置く事でより効率よく乾燥させる事ができるよ。
耐熱性に優れている
レザーソールは耐熱性に優れていて地表の熱を通しにくいのも特徴の1つ。
コンクリートなど舗装された道を歩く事が多い私たちにとっては大きなメリットになります。
反りの良さ
そして、レザーソールが多くの方から支持される理由が反りの良さです。
「返りがいい」と表現される事もありますが、レザーソールを履いてみるとラバーソールの時と比べて歩きやすいと感じると思います。
ソールが固い靴の場合は歩行時に足を曲げても元のまっすぐな状態をキープしようとするので、歩きづらく感じます。
ラバーソールはレザーソールと比較すると反りが悪いのでレザーソールに魅了される方が多いんですね!
レザーソールのデメリット
次にレザーソールのNGポイントを紹介します。
- 水に弱い
- 定期的なメンテナンスが必要
- 滑りやすい
水に弱い
革全体に言える事ですが、レザーソールは水濡れに弱いです。
水に濡れる事自体は大きな問題ではありませんが、濡れた状態でそのままにしてしまうとカビの繁殖やひび割れの原因に繋がります。(詳細は後述します。)
定期的に手入れが必要
ラバーソールの場合は濡れてしまっても特に手入れをする必要はありませんがレザーソールの場合はそのまま放っておくとカビが生えたり、乾く段階でソールが乾燥しひび割れてしまう可能性があります。
濡れてしまってもその後にちゃんとケアをすれば大丈夫です!
ラバーソールと違い定期的にクリームを入れて栄養補給をしないとアッパー部分の革と同様にひび割れなどの靴トラブルに直結してしまう点もマイナスポイントです。
ほとんど手入れがいらないラバーソールに慣れちゃってると面倒に感じちゃうかもしれないね。
滑りやすい
レザーソールはラバーソールと比べて非常に滑りやすいです。
履き込んでいくうちにソールが荒れてくるので滑りにくくなってくるのですが、 購入直後のはレザーソールは接地面がツルツルなので非常に滑りやすいです。
ラバーソールの様にグリップ力が高くないので初めて履いて驚いた方は多いのではないでしょうか?
特にマンホールの蓋や大理石の床などは非常に滑りやすいので注意が必要です!
レザーソールの手入れ道具
レザーソールの手入れにはこれらの道具を準備しましょう。
レザーソールの手入れには道具を用意しましょう。
- ソールクリーム
- レザースティック
- クリーナー
- 布
- ソールクリーム用ブラシ
- 馬毛ブラシ・タワシ
① ソールクリーム
レザーソール専用のクリームです。
レザーソール用のクリームで期待できる効果は以下の通り。
- 栄養補給
- 防水効果
- 抗菌効果(防カビ)
潤いや栄養を与えるだけではなく、防水効果も期待できるので地面に直接触れるレザーソールには最適なアイテムと言えます。
レザーソールをきちんと手入れをしておくことでソールの反りが良くなり歩きやすくなるだけではなく、歩行時の摩擦で摩耗しにくくなるので長持ちにも繋がります。
特にステッチの部分は水が染み込んでくる可能性があるので塗り込んでおくのがおすすめです!
またレザーソール用クリームの特徴として「防カビ剤」や「酢」が含まれている事が挙げられます。
靴のパーツの中でもカビの生えやすい部分なので手入れのタイミングで抗菌処理をしておく事は非常と言えます。
「靴クリームでOK」って聞くけど、靴クリームにはこうした防カビ効果がある成分は入ってないよ!
それどころか『蝋』が含まれていて滑りやすくなっちゃうからあまりおすすめしません!
靴クリームを塗ったからといって極端に滑りやすくなるという事はありませんが、少しでも転倒のリスクを減らす為にも靴クリームをレザーソールに使用する事は避けた方がいいでしょう。
その他にも「ミンクオイル」を使用されている方もいますがミンクオイルは油分が多く革が柔らかくなりすぎて滑りやすくなる、油分が多いのでカビが発生しやすくなるなどの意見があるのでこちらも控えておいた方がいいでしょう。
② レザースティック
ソールクリームを塗った後に繊維を引き締める為に使用します。
ソールクリームを塗ったレザーソールは革が柔らかくなるのでそのままの状態で履くと砂利や小石が食い込んでしまったり、段差などにぶつけるとソールに傷が入りやすくなってしまいます。
そこで、ソールクリームを塗った後にレザースティックを強く当ててこする事でレザーソールの繊維を引き締め傷をつきにくくします。
後ほど写真付きで詳しく紹介します。
ただ、革靴用のレザースティックは高額なので手を出しづらいです。
なので、レザースティックと同じ「水牛の角」を使用してつくられている「かっさ棒」で代用するのがおすすめです。
元々は健康器具なのですがレザースティックよりも持ちやすく、なにより1,000円台で購入する事ができます。
③ クリーナー & 布
レザーソールが泥や頑固な汚れが付着している場合は靴磨きで使用するクリーナーを使って汚れを拭き落とします。
余程、ひどい油汚れ出ない限りはきれいに落とす事ができます。
汚れ落としは面倒に感じるかもしれません。
しかし、汚れの上からソールクリームを塗ってもレザーソールに付着した汚れが成分の浸透を邪魔をしてしまう可能性があるのできちんと落としておきましょう。
目立った汚れがない場合は使わなくてもOKです。
ちょっとした汚れだったら濡らした雑巾をきつく絞って水拭きすればOKです!
④ ソールクリーム用ブラシ
ソールクリームを塗り広げる為に使用するブラシです。
靴磨きで使うようなブラシだと大き過ぎて扱いづらいので写真の様な持ち手付きのブラシやペネトレイトブラシの様な小型のブラシがおすすめ。
靴クリームを塗る時に使用している物を併用すると蝋分が付着してしまう可能性があるので必ずソールクリーム用のブラシを別に用意しましょう。
ブラシを用意できない場合は「布」で代用する事もできるよ!
⑤ 布
ソールケアの際に布は様々な場面で重宝します。
- クリーナーで汚れ落とし
- ソールクリームを塗る時
- 仕上げや余分なソールクリームを拭き取る時
クリーナーで汚れを落とす時や、ペネトレイトブラシを持っていない場合に布にソールクリームを取って塗り込む事もできます。
後ほど詳しく解説しますが、ソールクリームを塗り過ぎてしまった場合や仕上げで磨く場合でも使うので必ず用意しておきましょう。
レザーソールはアッパーのように繊細な革じゃないから使う布はどんな布でもOK!
着なくなったTシャツをカットして使えばコストを抑えられます。
⑥ 馬毛ブラシ ・ タワシ
ソールに付着した「砂」、「塵」や「ホコリ」などの汚れを馬毛ブラシでブラッシングして落とします。
ソール部分をブラッシングすると汚れが毛先についてしまうのでこちらもソール専用のブラシとアッパーの磨きで使うブラシは分けるようにしましょう。
馬毛ブラシでブラッシングしても落ちない「ソールに食い込んでしまった小石」や「ガム」等の頑固な物はタワシを使って払い落します。
レザーソールの手入れの頻度
レザーソールの手入れってどのくらいの頻度でやればいいの?
レザーソールの手入れをするタイミングは主に3つあります。
- プレメンテナンスのタイミング
- フルメンテナンスのタイミング
- レザーソールが濡れた時
プレメンテナンスのタイミング
プレメンテナンスとは靴を購入して履き下ろす前に一番最初に行うメンテナンスの事です。
「新品の靴は手入れをしなくても大丈夫」と考えている方も多いと思いますが、靴の展示期間や保管状態、手入れの有無によって靴が乾燥してしまっていて1歩歩いたらひび割れてしまったという事も。
新しい靴だからこそ履く前にはしっかりと手入れをして万全のコンディションに仕上げてあげる必要があります。
フルメンテナンスのタイミング
レザーソールの手入れはフルメンテナンスを行うタイミングで一緒に行えばOKです。
ただし、ローテーションの頻度や履いている時間、使い方によってフルメンテナンスを行うタイミングが変わってくるので簡単な目安を紹介します。
- 10回履いたら1回
- 100時間履いたら1回
- 2~3か月に1回
フルメンテナンスと同じタイミングでOKと紹介しましたが、履いていない場合でも自然と油分が抜けていってしまうので殆ど履いていない靴の場合も最低半年に1度はソールクリーナーを入れる事をおすすめします。
乾燥した状態で履くとそのままひび割れてしまう事があるので覚えておきましょう!
乾燥した状態で履くとそのままひび割れてしまう事があるので覚えておきましょう!
レザーソールが濡れた時
レザーソールは水濡れに弱いソールとして知られています。
しかし、濡れてしまう事がダメという訳ではなく「濡れた後にケアをせずにそのまま放置してしまう」事が一番の問題です。
革から水分が蒸発する事で乾燥し、柔軟性が無くなります。
乾燥した状態の革は非常に固くなってるから、そのまま履くとひび割れちゃうなんて事も・・・
なので、レザーソールが雨や水溜まり等で濡れてしまった場合は水気を拭き取るなどのケアを行いながら、乾いてきたらソールクリームを入れる事を忘れないようにしましょう!
一番やってはいけないのがドライヤー等で熱を加える事です。
急激に乾燥させるとこちらもひび割れの原因になるので絶対にやらないようにしましょう。
レザーソールの手入れ方法
次にレザーソールの手入れ方法を紹介します。
基本的には手順は同じですが、使用する道具によって手順が異なる場合もありますので使う道具の使用方法を確認するようにしましょう!
- 馬毛ブラシ・タワシで汚れ落とし
- クリーナーで汚れ落とし(省略可)
- ソールクリームを塗る
- 布で乾拭き
- 時間を置く
- レザースティックでならす
レザーソールは靴磨きでアッパーの手入れを行う前に一番最初に行うようにしましょう。
レザーソールは砂埃や泥などが付着している事が多いので、アッパーを手入れした後にソールの手入れを行うとせっかく手入れをしたアッパー部分に汚れが飛び散ってしまい台無しになってしまいます。
レザーソールを手入れする時はまず一番最初にやるって事を覚えておこう!
靴磨きの詳しい手順についてはこちらのブログをで紹介しておりますので併せてご覧ください。
① 馬毛ブラシ・タワシで汚れ落とし
最初にレザーソールを馬毛ブラシでブラッシングして汚れを払い落とします。
ブラッシングを行うと周囲にホコリが飛び散るので「作業を玄関で行う」、「新聞紙を引いて作業する」などの対策が必須です。
頑固な汚れの場合にはタワシを使用しましょう。
② クリーナーで汚れ落とし
馬毛ブラシ・タワシでブラッシングしても汚れを落としきれない場合はクリーナーを使用して汚れを落とします。
クリーナーを布にとってソール全体を拭きます。
1回にとるクリーナーの量は指先全体が湿るくらいでOKです!
ソールの汚れ落としは汚れが付着しやすく、使用面が汚れやすいので汚れてきたらこまめに使用面を交換しながら作業をしましょう。
③ ソールクリームを塗る
次にソールクリームを塗ります。
使用してたソールクリームははBoot Blackの『レザーソールコンディショナー』です。
2~3滴ソールクリームを直接のせて、専用のブラシを使ってレザーソール全体に満遍なく塗り広げていきます。
擦れてしまった部分だけじゃなくて土踏まずのところもしっかりと塗ろうね!
④ 布で乾拭き
ソールクリームを全体に塗り広げたら布を指に巻き付けて余分なクリームを拭き取ります。
触ってみてべた付きがない場合は省略してもOKです!
⑤ 時間を置く
ソールクリームの成分を革に浸透させるために時間を置きます。
レザーソールの状態にもよりもますが最低でも3時間以上、できれば半日くらいはおきましょう。
ソールクリームを塗ると色が濃くなっちゃうけど、革に浸透すると色が落ち着いて塗る前の色に戻るよ。
それが合図です。
⑥ かっさ棒でならす
最後にかっさ棒で全体を強く擦って平らにならしていきます。
かっさ棒をソールに強く押し当てて上下左右、様々な角度から擦りましょう。
なんでこんな事をする必要があるの?
レザーソールにクリームを入れると潤いや栄養が入るのと同時に革が柔らかくなります。
そのままの状態で履いてしまうと小石が食い込みやすくなったり、段差でぶつけた時など簡単に傷が付いてしまったりと様々なデメリットがあります。
そうした事を防ぐ為にかっさ棒を使って強く擦る事で繊維を引き締めてレザーソールが傷つきにくい状況を作ります。
また、レザースティックを押し当てる事でソールクリームの成分を革に浸透させる効果も期待できます。
ちょっとしたひと手間ですが、この作業を加える事でレザーソールの持ちが格段によくなります。
大事なソールを守る為に取り入れてみて下さい。
おすすめのレザーソールクリーム3選
レザーソールをケアする道具は様々なブランドから販売されています。
ただ、種類が多すぎてどれを選べばいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか?
自分が使用してみて良かった物を3つに絞って紹介しますので参考にしてみて下さい。
- Boot Black レザーソールコンディショナー
- TAPIR レザーソールオイル
- M.モゥブレィ ソールモイスチャライザー
Boot Black レザーソールコンディショナー
日本を代表するシューケアブランド「コロンブス」が手掛けるBoot Blackシリーズのソールクリームです。
クリームの伸びが良く非常に扱いやすいのが特徴で、成分がソールの表面に残りづらく滑りやすくなる心配はありません。
防カビ剤が含まれておりカビ対策も同時に行えます。
TAPIR レザーソールオイル
TAPIRはドイツ発祥の皮革ケア用品を販売するブランドです。
このブランドの最大の魅力は「使用する成分が天然由来のもの」である事。
使用されている原料の原産地や使用目的などが細かく紹介されていて革に優しいシューケアグッズとして多くのファンがいる注目のブランドです。
M.モゥブレィ ソールモイスチャライザー
M.モゥブレィから販売されている革底専用クリーム。
こちらの商品も伸びが良く非常に扱いやすいので初心者の方から上級者の方まで使いやすい商品です。
容量も135mlと他の商品と比較しても量が多いのでコスパを求める方にはおすすめです。
ソールクリームは代用できる!?
レザーソールの手入れの際に使用する道具を3種類紹介させて頂きましたが、調べてみると様々な道具で代用されている方がいます。
代用品の中でも特に多かったのが以下の4種類です。
- 靴クリーム
- ミンクオイル
- オリーブオイル
- デリケートクリーム
自分が実際に試してみた感想や、意見についてこちらのブログにまとめてあります。
まとめ
- レザーソール専用のクリームを使うのが◎
- ソール用の道具は別に用意する(併用しない)
- 頻度はフルメンテナンス&プレメンテナンスのタイミング
ソールは目に見えない部分なのでついつい手を抜いてしまいがちですが、革同様に定期的なメンテナンスが必要です。
ソールもきちんと手入れすれば長く活躍してくれるので是非手入れをしてあげてください。
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