【靴磨きの頻度】手入れの目安・タイミングを徹底解説!
革靴は定期的に手入れを行う事で長く愛用する事ができます。
実際にきちんと手入れを行い、定期的に修繕を行ってきた靴を10年以上履いているという方は珍しくありません。逆にどんなに高価な革靴を購入しても手入れを怠ってしまうと数年でひび割れしてしまったりしまう事も。
それ程に日々の靴の手入れは重要な作業だと言えます!
でも、靴の手入れをやった方がいいのは分かっているけどどんなタイミングで行えばいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか?
今回のブログではそんな方の為に「靴磨きの頻度」について分かりやすく解説していきます。
このブログをご覧いただければ以下の内容をご理解頂けます。
- 靴磨きを行う頻度とタイミング
- 手入れを行うメリット
- 手入れのし過ぎはどうなのか?
靴磨きを行う頻度とタイミング
靴の手入れを行うタイミングは大きく分けて3つあります。
- 靴を購入して履き下ろす前
- 毎日履き終わった後
- 定期的な手入れ
順番に解説していきます。
① 靴を履きおろす前
新しく靴を購入したらまず履き下ろす前に手入れを行いましょう。
ここでの手入れの事を「プレメンテナンス」と言います。
プレケア」と呼ぶこともあります。
「新品の靴は綺麗な状態だから特にメンテナンスをしなくても大丈夫じゃないの?」と思われるかもしれません。
しかし、靴が製造されてから自分の手元に届くまでにどの位時間がかかったのか判断するのは非常に難しいです。
- 製造後にすぐに自分の手元に届いた
- 長期間、倉庫で保管されていた
- 店頭に並んでいた
どのような状況も考えられますよね?
どんな状態で保管されていても問題なく履けるようにする為に最初に行う「プレメンテナンス」は最も重要な作業の1つ。
プレメンテナンスを行う目的は主に2つあります。
- 靴トラブルを防ぐ
- 履き心地の向上
① 靴トラブルを防ぐ
靴の最も苦手とするものが乾燥と水濡れです。
革靴が完成した後に最低限の手入れはされていますが、時間の経過と共に革の油分や潤いが抜けていき靴が乾燥した状態になってしまいます。
乾燥した状態の靴をそのまま履いてしまうと革に柔軟性が足りず、履きジワ部分が割れてしまったり反りが悪く履き心地が悪くなります。
しかも、それだけではありません!
靴の表面が乾燥していると表面に水分が付着した場合にあっという間に革に浸透してしまい「シミ」になってしまいます。
定期的に手入れを行っている靴の場合は潤いや油分が補給されているのでこのような事は起こりにくいのですが、手入れをしていなかったり新品の靴の場合は注意が必要です。
水たまりとか急な雨には気をつけないと!
こうした靴トラブルを未然に防ぐ為にもプレメンテナンスは重要な手入れだと言えます。
② 履き心地の向上
乾燥している状態の靴は革に「柔らかさ」や「しなやかさ」がありません。
歩いてみると革が固く若干歩き辛さを感じると思います。
そこで、靴を履き下ろす前にクリームを靴に塗り込む事で潤いと栄養を補給し革を柔らかくします。
この工程を入れるだけで、履いた時の感触が大きく変わります。
特に新品の靴を購入して靴ズレや足が当たって痛いと感じている方はクリームを靴の内側に塗り込んでおく事で足に当たる部分が柔らかくなりそうした問題もある程度解消する事ができます。
プロも使っているテクニックなので是非、導入してみて下さい!
靴磨きの世界チャンピオンの杉村さんのYoutubeの中でも実際に紹介されています。(10:30~)
プレメンテナンスの詳しい手順や必要な道具に関してはこちらのブログで紹介しております。
② 毎日履き終わった後
毎日履き終わった後に行う作業を「デイリーケア」といいます。手入れ内容は2つあります。
- 馬毛ブラシでブラッシング
- 消臭スプレー(無くても可)
馬毛ブラシでブラッシングする事で1日履いて靴の表面に付着した汚れ(塵・ホコリ)を払い落します。
目立たない汚れですが、そのままにしておくと革の表面の油分が吸収されてしまい革の表面の乾燥が早くなってしまいます。
その上から靴クリームなどで栄養を与えてしまうのカビの原因にもなります。
こうした汚れをしっかりと落としてあげる事で靴の乾燥を防ぎながら、靴トラブルを未然に防ぐ事が出来るようになります。
ブラッシングをするだけでも靴の持ちが違うっていうのはこういう理由だったんだね!
「塵も積もれば山となる」ではありませんが、目立たない汚れもずっと手入れをしていないと次第に目立ちはじめてきます。定期的なブラッシングは見た目を向上させる効果もあります。
ブラッシングとセットで消臭スプレーの使用がおすすめです。
人の足は1日に大量の汗をかきます。靴内部の湿気や古い角質などが原因で細菌が繁殖し悪臭の原因になります。
靴ってすぐ臭くなっちゃうイメージだもんね・・・
悪臭にお悩みの方は履き終わった後、ブラッシングと一緒に消臭スプレーを使用がおすすめです。
最近のスプレーは消臭や香り付け以外にも細菌の繁殖を抑える効果も期待できるものがあるので是非、試してみて下さい。
自分も以前は悪臭に悩んでいましたが、今は靴箱からいい匂いがするくらいに改善できました。
デイリーケアは両足で1分程で終わる簡単な作業です。
靴箱の中に道具を入れておけば簡単に習慣化できますので是非、お試しください。
詳しい手順についてはこちらのブログで紹介しております。
③ 定期的な手入れ
ここでの手入れは「フルメンテナンス」と呼ばれる手入れを行います。
フルメンテナンスとは馬毛ブラシを使ったブラッシングから、クリーナーで汚れ落し、靴クリームで栄養補給、ワックスで艶出しなど基本的な全工程を行う手入れの事です。
1度靴をすっぴんの状態にもどしてから新しいクリームを塗って栄養を補給させます。
また、ワックスでコーティングを施す事で見た目の光沢だけでなく汚れや水濡れに強くなります。
フルメンテナンスの詳しい方法についてはこちらのブログをご覧ください。
フルメンテナンスを行う頻度に関してですが、ここが最も意見が分かれるポイントです。
調べてみると主に3つの方法が紹介されていました。
- 期間で管理する方法
- 回数で管理する方法
- 時間で管理する方法
この中のどの方法が正解という事はありません。自分に合った方法で管理していきましょう。
① 期間で管理する方法
「〇〇の期間に1回磨く」というものです。
一番多かったのは「1か月に1回フルメンテナンスを行う」というものでした。
この手入れの最大のメリットは手入れの習慣化が出来る事。手入れする日を予め設定しておけばその日が来たら手入れを行うだけなので他に細かい管理は不要です。
ただし、靴の数が多くなると適切なタイミングでの手入れが難しくなってくるので靴磨きを始めたばかり・靴の数が少ないという方に最適な管理方法です。
② 回数で管理する方法
「〇〇回履いたら一回手入れをする」という方法です。
ブログや書籍によって若干の違いはありましたが「8回~10回に1回手入れする」という意見が最も多かったです。
この方法のメリットは靴の数が増えてきても管理が可能と言う事です。3足程度なら「月に1回磨く」のと手入れのタイミングはほとんど一緒になりますので初心者の方にもおすすめの方法です。
ただし、履いた回数をカウントする必要があるので管理が少し面倒です。
③ 時間で管理する方法
「〇〇時間履いたら1回手入れをする」という方法です。
佐藤我久さんの「靴磨きのスタートブック」で紹介されていた方法です。
100時間履いたら1回フルメンテナンスを行うという方法です。
細かい管理が必要になりますが、他の方法とは違い履いた時間についても考慮して最適なタイミングで手入れできるのが最大のメリットです。
自分もこの方法で管理しています!
3か月~半年に1回手入れ
フルメンテナンスの度に行う必要はありませんが、もう少し長いスパンで見て3~6か月に1度手入れを行うべき部分があります。
- コバ
- レザーソール(革底)
「コバ」とは靴底の側面部分の事を指します。
地面に近い部分なので、傷がついたり色が剥げてしまう事が時々あります。
目立つ部分ではありませんが、コバをきちっと手入れしておくと全体の表情がグッと引き締まり仕上がりに統一感が生まれます。
レザーソール(革底)で作られている靴も定期的な手入れが必要です。
靴底部分の革にも靴の表面の革と同様に栄養補給をする必要があります。表面の革よりも丈夫で厚い革が使用されているので頻繁に行う必要はありませんが、乾燥が進むと歩行時など靴底が反った際にヒビが入ってしまう事も。
靴クリームで代用可能との記事を見ますが、ロウ分を含むと滑りやすくなるので避けた方がいいでしょう。
レザーソール専用のクリームが各メーカーから販売されいます。
レザーソールの手入れの場合は専用の道具を使用して手入れを行う事をおすすめします。
詳しい手入れ方法についてはこちらのブログをご覧ください。
靴磨きを行うメリット
靴磨きの頻度とか方法についてはなんとなくわかったけど靴磨きをするメリットって何があるの?
私が考える靴磨きのメリットは主に下の3つです。
- 見た目のUP
- 汚れ・傷から守る
- 履き心地UP・靴が長持ちする
下の画像をご覧ください。
奥の靴が「フルメンテナンス」を行った靴で、手前の靴が手入れをする前の靴です。
どちらも同じ靴ですがフルメンテナンスを行った靴の方が全体的に艶があり高級感が出ている事がお分かり頂けると思います。
特につま先の部分は全然違うね!
この靴は元々定期的に手入れをしている靴なので大きな傷がありませんが普段手入れをしていない靴を手入れして比べてみると劇的に見た目が向上します。
自分の経験談ですが、靴は自分が想像している以上に相手から注目されており綺麗にしておくだけで自分の印象を劇的に向上させてくれます。
これはプライベート・仕事などどの場面でも共通する事です。
その他にも、ワックスでコーティングする事で軽い水濡れ程度なら革への浸透を防いでくれ、浅い小傷ならワックス層で守ってくれるので靴本体に傷が入らないというメリットもあります。
先程も紹介した通りクリームを塗った靴は革が柔らかくなり履き心地が良くなるだけではなく、ひび割れなども起きにくくなるので結果として靴を長く履き続ける事ができるようになります。
靴の手入れをしておく事で本当に様々なメリットがありますね!
手入れのし過ぎは良くない?
メリットだらけなら毎週靴を磨くぞ~!
こう考える方もいらっしゃると思いますが、手入れのし過ぎはあまりおすすめできません。理由は2つあります。
- 靴クリームは頻繁に塗る必要はない
- クリーナーが革を傷める
① 靴クリームは頻繁に塗る必要はない
靴クリームは塗った後に少しずつ油分が抜けていきますが、頻繁に塗る必要はありません。
靴クリームを塗って間もない状態の革は油分・潤い共にきちんと補給されている状態です。
その状態で革に栄養を与えようと靴クリームを塗ってもほとんどの成分が吸収されずに無駄になってしまいますのでコスパの悪い手入れ方法になってしまいます。
靴を履いてある程度乾燥した状態で手入れする事で靴クリームの成分がしっかり浸透してくれます。
② クリーナーが革を傷める
汚れ落としに際に使用するクリーナーが革を傷めてしまいます。
クリーナーには古いワックスや靴クリームを落としやすくする為に有機溶剤が含まれ折ります。溶剤という名の通り革にはいい物ではありません。
元々、靴の汚れ落としとして開発されたものなので使う度に劇的に革が劣化してしまうという事はありませんが、革に優しくないものの使用は極力控えたいところ。
靴クリームと同様に必要がないなら極力控えるのがおすすめです。
靴好きの人ほど頻繁に手入れしたくなるけど靴の事を考えると手入れのし過ぎにも気をつけた方がいいんだね!
まとめ
今回のブログでは靴磨きの頻度や方法、メリットやデメリットについて紹介させて頂きました。
自分が伝えたかった事はこの2つです。
- 細かい事は気にせずまずは手入れをする習慣を身に着ける
- 手入れのし過ぎはNG
靴磨きで大切な事は細かいテクニックや道具よりも「定期的に靴を手入れする事」。この事が重要だと考えています。
自分も調べてみて色々な管理方法があり驚きました。
しかし、どの管理方法に関しても本質にあるものは「定期的に靴を磨く」という事だと思います。
多少の回数や時間の違いがあったとしても全然OKです。
「10年に1回手入れをする」という様に「それはちょっと違うんじゃない?」という発想でない限りはそこまで気にせず、とにかく手入れを習慣化して靴に愛情を注ぐ事が大事なのではないでしょうか?
頻繁に手入れする事も同様ですね。
人によって条件や環境が違うので「これが正解」という完璧な答えはありませんが、それを考えながら手入れを続ける事が靴磨きの何よりの楽しみだと思います。
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